研究課題/領域番号 |
24700182
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉澤 信 独立行政法人理化学研究所, 生物情報基盤構築チーム, 副チームヘッド (10455371)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 測地画像処理 / 畳み込み / 非写実的エフェクト / 領域抽出 / 陰関数 / 高速ガウス変換 / 幾何的不変量 / 曲率導関数 |
研究概要 |
当該年度は、申請書に記載した研究の目的及び実施計画に従って、測地画像の高速畳み込み法の開発と測地画像化の検討を実施し、開発・発見した方法を次年度予定していた応用問題へ適応した。 まずはじめに、高速ガウス変換と定義域変換を適応し、高精度かつ高速な測地画像の畳み込みを達成した。また、次年度研究予定であった非写実的エフェクト計算法を、当該年度に開発した畳み込み法を用いて新たに提案した。画像処理・CG・CADで難関とされるEUROGRAPHICS'13にポスター発表として採択され、発表予定である。さらに、次年度研究予定であった領域抽出の応用に関しても、測地画像の画像多様体を陰関数で近似しユーザーの指定した制約点を満たす事で3次元・多チャンネルの画像をインタラクティブに領域抽出する事が可能な計算法を提案した。この成果はEUROGRAPHICS'13にフルペーパーとして採択され、発表予定である。 さらに、測地画像化で重要な曲面特徴の検討を進めるため、曲面の幾何的不変量の研究を実施し、曲率の導関数に基づく新しい不変量を発見し、国際会議にて論文発表を行った。本成果を発展させた結果も次年度国際会議にて発表予定である。 最後に、測地画像化の検討により、定義域変換後に効率的にガウス関数の畳み込みを適用可能なまったく新しい方法を発見した。この成果は現在発表へ向けての数値実験を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は測地画像を高速かつ高精度に畳み込み処理するアルゴリズムの開発である。そのために、測地画像変換の高精度化、測地画像の畳み込み、及び応用問題に分けて実施中である。 研究実績で述べた様に、畳み込み及び応用問題では当初の計画以上に進展しており、国際的な成果が既に出ている。しかしながら、高精度化において、当初予定していた陰的フィルタを用いた方法の開発が遅れている。一方、測地画像化の検討により当初予想していなかった高精度化・高速化の方法を発見してもいる。 したがって、全体的におおむね順調に進展している、といえる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、当該年度に開発し査読付き論文・国際会議発表として採択された研究発表を実施し、国内外の批評を受ける事でより良い成果にする予定である。特に、発見した「定義域変換後に効率的にガウス関数の畳み込みを適用可能なまったく新しい方法」に関しての数値実験・理論検証を海外の研究機関・研究者の協力を得て実施する予定である。また、当初予定していた陰的フィルタによる方法の検討及びノイズ除去応用法の開発も実施予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に渡航先の都合により実施出来なかった海外研究機関での研究打ち合わせ、及び当該年度の成果論文群の発表に伴う複数回の海外渡航旅費、関連成果の国内発表に伴う旅費、成果発表・打ち合わせのための高性能GPU搭載ノートPCの購入が次年度の研究費の主な使用予定である。
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