研究概要 |
当該年度は、申請書に記載した研究の目的及び実地計画に従って、測地画像を高速かつ高精度に畳み込み処理するアルゴリズムの研究及びその応用への研究を実施し、国際的な評価を得た。 前年度に開発した高速アルゴリズムは、高速ガウス変換と定義域変換を新たに適応した計算法である。そのノイズ除去と非写実的エフェクトへの応用はEUROGRAPHICS’13にて査読付きポスター論文として発表し、国際賞Springer Prize for the Best Eurographics Poster 2013を受賞した。領域抽出への応用は、画像多様体を陰関数で近似し、ユーザーの指定した制約を満たす事で、3次元・多チャンネルの画像をインタラクティブに領域抽出する計算法の開発へ貢献した(Eurographics’13, full paper)。この成果の発展も共同研究として権威ある査読付き国際会議へ投稿中である。 さらに、測地画像化で重要な曲面の幾何的不変量の研究を実施し、曲率の導関数に基づく新しい不変量を発見した。この研究成果は英国応用数理学会(IMA)の国際会議で発表し好評を得た。 当初の予定では、陰的フィルタを用いる予定であったが、積分領域を分割する事で超高速・超高精度に測地画像を畳み込みする事が可能な全く新しいアルゴリズムを発見した。当該年度は、そのアルゴリズムの実装・プログラム化と数値実験を詳細に実施した。主に速度・近似精度・品質の評価を行い、既存の高速近似法との比較を実施し、その優位性を確認した。また特徴保存平滑化・テクスチャー強調などの応用での有用性を確認した。この成果は現在、権威ある査読付き国際会議へ投稿中である。
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