Twitter や facebook などの SNS の発展により人間の行動と SNS の情報の流れの結びつきは年々強くなっている。本研究の目的は仮想空間の情報の流れが実空間の人の流れにどのように伝播するかをモデル化し、実際に Twitter でつぶやかれたテキストデータとステレオカメラで抽出した動線データを時空間相関分析する方法を明らかにすることである。 本研究では Twitter のつぶやき数とステレオカメラで計測した人の移動人数をノードとリンクによって構成される相互伝播モデルを提案した。相互伝播モデルでは人の数とツイート数を時系列データとして扱い、人の数もしくはツイート数が与えられたノードを重み付きリンクで接続することによって、各時刻の人の数とツイート数の統計的関係性を表現した。提案した相互伝播モデルの有効性を検証するために、実際に観測された人の数とツイート数の統計的関係性を解析することを目的とする検証実験を行った。実験によって得られたツイート数の推定値と実測値の平均誤差は約 4 %、人の数の平均誤差は約 11 %であり、提案した相互伝播モデルが統計的関係性を捉えていることを確認した。また検証実験によって得られたパラメータから、ツイート数と人の数の関係性は時間によって変化し、特定の時間帯では関係性が強くなること、特に情報を流すのに有効な時間帯や人が異動した後に情報を流す時間帯などを抽出することができた。 最後にこれらの研究内容を研究会で発表した。
|