研究課題/領域番号 |
24700199
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
TAN JEFFREY 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 特任研究員 (70599224)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 知能ロボティックス / 人工知能 / シミュレーション工学 / バーチャルリアリティ / マルチモーダルインターフェース / 機械学習 / エージェント / 情報システム |
研究概要 |
本研究の目的は,クラウド型システムで多数のユーザが仮想世界でロボットとインタラクションする実験に参加できるシミュレーションシステムを提案し,ロボットの対話型知能が発達できるようなシステムの開発を促進させる。平成24年度の研究実施計画の通り,始めに2つの重要な開発項目を進めた: (1)人間ロボット間のインタラクション知能のフレームワーク構造を確立するのため,階層的タスク分析の手段でインタラクションタスクと身体性インタラクションの統合モデルを構築した。このモデルで,高層的なインタラクション知識(タスク)と低層的な身体性状態と行動を統合して,ロボットのインタラクション知能の基盤を構築した。具体的な人間ロボット間インタラクションのシナリオとして,世界的なロボット競技会であるロボカップ@ホームにおいて使用されている人間支援ロボットの標準的なタスクや行動環境に基づく,ロボットのインタラクション知能のモデルの構築を進めた。 (2)社会的知能発生学シミュレータSIGVerseシステムを用いて,クラウド型実験環境を構築した。このシステムの上で,人間との対話管理システム,音声合成と認識,身体性運動(モーションキャプチャ)とヘッドマウントディスプレイ(HMD)システムを介したインタラクションのインタフェースシステムを開発した。このインタフェースシステムを用いることで現実の被験者の行動を仮想世界に投影し,仮想世界でバーチャルロボットとインタラクションすることが可能となる。さらにこのシステムで,多数のユーザが不特定多数のクライアント端末から,同じシミュレーションサーバに接続するネットワークインタフェースを構築し,来年度に計画している大規模な被験者実験の環境を準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度プロジェクトの主なターゲットは,ロボットのインタラクション知能フレームワークの構築と多数のユーザが参加できるクラウド型シミュレーションシステムの開発である。階層的タスク分析の手段でロボットのインタラクション知能のモデル化を行い,クラウド化とインタラクションのインタフェースシステムを加えた多数のユーザが参加できるシミュレーションシステムを用いることで,当初の計画以上に(1)ロボットのインタラクション知能のモデルと(2)クラウド型シミュレーション環境とユーザインタフェースシステムを統合して,人間ロボットインタラクションのシミュレーションを実現した。さらに,平成25年度の計画も既に進展している。ロボットのインタラクション知能のモデルでロボットの学習機能を構築し,仮想世界に没入できるようなマルチモーダルユーザインタフェース(HMDを含む)システムを構築した。現在までの研究開発の成果として,国内外学会での論文10件が採択された。このプロジェクトは長時間・大規模人間ロボットインタラクションをシミュレーション上で実行することが可能であるため,ロボカップ@ホームにおける展開が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究実施計画は,3つの重要な開発項目からなる: (3)大規模な被験者の実験のために,多数のユーザが参加できるのシミュレーションシステムに,開発したソフトウェアシステムをアップグレードする。ロボカップ@ホームの標準的なタスクに基づく,人間とロボット間のインタラクションシナリオ(人間と環境の認識,部屋の掃除,協調作業など)を,シミュレーションモデルと実験システムを準備する。 (4)インタラクションの評価方法を確立し,評価結果をロボットにフィードバックして,連続的な学習するロボット知能を発達させるメカニズムを構築する。実験を通じて,仮想世界での大規模シミュレーションを通じてロボット知能を連続的に発達させる方法論を、この段階で確立する。 (5)すべてのコンポーネントシステムを統合し,最終実験のためのプロトタイプシステムを開発する。提案するシステムの有用性を明確化するために,被験者実験を通じて評価を行うことでプロジェクトを総括する。
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次年度の研究費の使用計画 |
システムの開発:実験システムの構築や大規模な被験者の実験を行うため,複数のクライアント端末インタフェースシステムの構築など,ハードウェア(クライアント端末,インタフェース用センサー,デバイスなど)とソフトウェア(モデル編集ツール,実験データ処理用ソフトウェアなど)のコストが必要である。 実験の支援:大規模な被験者実験を行うため,実験の支援者や被験者への謝金が必要である。 論文の発表:研究成果の公表のため,国内外の学会での発表,学術誌への原著論文の投稿を行うための旅費・投稿費が必要である。
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