平成26年度は,次に示す印象知識の構築と応用の検討,評価研究などを実施した. 1.Webテキストからの印象知識の構築 昨年度考案した印象情報獲得法を利用して,Webテキストからの印象情報収集と,知識構築する研究を実施した.Webテキストの取得にはマイクロブログを用いて,共起語をキーワードに検索し,得られたテキストからさらに共起語を取得することで逐次印象情報を獲得し,印象知識ベースへの拡充をおこなう.このプロセスが予想以上に時間を要することとなったため,研究協力者2名を動員し,構築作業の継続と,テキスト解析による収集効率化の検討をおこなった.また,小規模知識として観光地名から受ける印象を利用した評価表現を収集,知識ベース化をおこない,印象知識獲得法の評価をおこなった. 2.曖昧な表現における意図理解への応用の検討 “ケータイが大きい”の場合,主体語「ケータイ」の印象「小さい」「軽い」などと,対象語「大きい」との違いを検出することによって<不評>など意図の取得が可能になると考えられる.そこで,この違いの有無を主体語と対象語の関連度を計測することで取得する手法を研究した.また,関連度取得手法を評価するため,印象情報獲得法を利用して楽曲タイトルから受ける印象を小規模知識ベースとして構築し,印象語から関連する楽曲の検索を試みた.知識ベース構築,検索の過程では楽曲のサウンド情報は全く用いていないので,語彙から受ける印象の検索への応用ともなっている.
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