本研究の目的は,実施した運動課題の評価を被験者が受けることによる被験者の運動関連脳部位賦活への影響を検討し,訓練を受ける患者に対する支援者の適切な働きかけのための考察の一助とすることであった.運動課題実施直後に高評価音を与えられた群は無評価音を受けた群よりも設定したタッピング運動の基準に近いパフォーマンスを示しており,運動を「より上手」にできている可能性が示唆された.また,高評価音・無評価音を受けた群とも,タッピング運動の実施により運動関連脳領域の賦活が示されたが,さらに高評価音を受けた群では前頭前野,扁桃体,眼窩前頭野等の情動関連脳部位において新たな賦活が認められた.
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