研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、機械の中に気の利いた秘書が居るかの如くユーザの状況に対応した適応的サポートを提供するWebプラットフォームの開発である。これは、機械が人間の状況を認識する状況推定、ユーザの状況やリクエストまたは実社会からのイベントに基づいて情報を収集する情報検索、状況に対応してユーザにサービスを提供する作業支援、これらを用いた応用システムから成る。状況推定については、文脈ベースサービスモデルの標準化に向けて、文脈ベース推論CxBRと世界標準の形式自然言語SBVRとの融合方式の提案・評価を行った。また、ハイブリッド推論による文脈ベース推論の高度化(開世界仮説、様相論理、信用度)を行った。また、開世界仮説、様相論理、信用度評価モデルの組込みにより、状況適応機能の強化を行い、ルールモダリティ(様相論理)や開世界仮説/閉世界仮説(CW/OW)での推論を文脈や状況に依存して選択可能とする手法を提案し、これら研究成果を国際会議論文において発表した。情報検索については、テキストと画像を融合したクエリーによる質問応答、レコメンドシステムのプロトタイプを構築し、検証を行った。また、JPEGのヘッダー情報を用いて画像検索を高速化する手法を提案・評価した。これらの研究成果を国際会議論文において発表した。応用として、ユーザプロファイルやデータマイニングによる大学でのカリキュラム作成支援システムなどの研究を行い、その研究成果を国際会議論文において発表した。
2: おおむね順調に進展している
目標とする適応的サポートシステムの実現に向けて、要素技術である機械が人間の状況を認識する状況推定、ユーザの状況やリクエストまたは実社会からのイベントに基づいて情報を収集する情報検索、状況に対応してユーザにサービスを提供する作業支援について、それぞれ研究成果を出し、応用システムとしての提案・実験も進んでおり、その研究成果を国際学術論文および国際会議論文において多数発表できたため、おおむね順調に進展していると考える。
今後は、コンテキストアウェアネスによる適応的なウェブサービスの実現に向けて、特にユーザの状況推定、情報検索についての研究を行う。情報検索としては、従来のテキスト検索などでは困難であったマルチメディアデータ検索手法を提案し、状況推定としては、ユーザのクエリー情報に基づいたユーザプロファイルの自律的モデリング手法、ユーザの行動解析のためのデータマイニング手法の提案を行う。また、応用システムのプロトタイプの作成・検証を行っていく。
今年度は購入を予定していたセンサーでは想定の推定精度が得られないことが明らかとなったため、予定していたセンサー類の購入を取りやめた。次年度はこれをWebベースでのデータ収集・解析システム作りを行うための研究協力者謝金、もしくはより精度の高いセンサー端末の購入にあてる予定である。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件)
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