研究課題/領域番号 |
24700214
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
櫻井 義尚 明治大学, 総合数理学部, 准教授 (30408653)
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キーワード | 機械学習 / データマイニング / 感性工学 / 情報検索 / 意思決定支援システム / 適応的サポートシステム |
研究概要 |
本研究の目的は、機械の中に気の利いた秘書が居るかの如くユーザの状況に対応した適応的サポートを提供するWebプラットフォームの開発である。これは、機械が人間の状況を認識する状況推定、ユーザの状況やリクエストまたは実社会からのイベントに基づいて情報を収集する情報検索、状況に対応してユーザにサービスを提供する作業支援、これらを用いた応用システムから成る。 状況推定については、ユーザの行動履歴データからユーザプロファイルを構築する手法についての提案を行い、実験システムの構築中である。情報検索については、テキストと画像を融合したクエリーによる質問応答システムの研究を進め、情報提供者とユーザ要求とのマッチングを行うシステムを提案した。また、画像検索技術の改善のため、ハフマンテーブルを用いて画像検索を高速化する手法を提案・評価した。これらの研究成果をそれぞれ国際会議論文において発表した。 応用としては、情報提供者とのユーザクエリーマッチングシステムとして、災害時における情報提供システムを提案した。また、ユーザーサポートシステムとして、ユーザの学習履歴やプロファイルに基づいてデータマイニングにより大学カリキュラムの作成支援を行うシステムの研究を行った。これらの研究成果をそれぞれ国際会議論文において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標とする適応的サポートシステムの実現に向けて、要素技術である機械が人間の状況を認識する状況推定、ユーザの状況やリクエストまたは実社会からのイベントに基づいて情報を収集する情報検索、状況に対応してユーザにサービスを提供する作業支援について、それぞれ研究成果を出し、応用システムとしての提案・実験も進んでおり、その研究成果を国際会議論文において多数発表できたため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各応用システムの研究を進めるとともに、ユーザの状況に対応した適応的サポートシステム実現のための要素技術の確立を行っていく。 情報提供者とユーザとのクエリーマッチングシステムにおいては、自然言語処理や画像などを用いた曖昧性を含んだ情報処理、検索技術についての研究を進めていく。大学カリキュラムの作成支援システムにおいては、ユーザプロファイルのモデリング技術、利活用技術についての研究を進めていく。また、検索システムにおける、ユーザ行動履歴からのユーザプロファイル情報の自動抽出技術についても研究を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
生体情報センサーの精度による問題を解決するため、センサーネットと無線通信によるストリーム処理によるシステム構築を試みたが、必要精度を得られるであろうシステム構築に必要なコストが予算内ではカバーできなかったため、ユーザプロファイルによるソフトウェア的処理に重点を置いたシステム構築に変更し、研究を進めた。 次年度は、この予算を実験システム構築のための研究協力者謝金にあてる予定である。
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