研究課題
本研究では,測定した脳波には雑音が混入することを前提とし,雑音を除去するのではなく,有効な脳波データを抽出・利用できる仕組みを提案し,脳波に基づくユーザの感情推定システムに利用することで提案する雑音に頑健な脳波解析手法の有効性を検証することを目的としている.具体的には,言語処理分野で既に実績のある言葉の連想を可能とする言語の概念ベース構築手法を参考に脳波の概念化を行う.本年度は,研究の最終年度である4年目として,昨年度に構築した脳波に基づく感情推定アルゴリズムの改良を行った.昨年と同様に,推定する感情を4種類とし,ある被験者に対する感情を推定する際には,その本人の脳波データは感情推定の際に一切使用しないという,個人差の影響を大きく受ける脳波データにおいては最も厳しい条件下での評価実験を行った.結果としては,34.7%となり,昨年に比べ約4%の精度向上を実現した.また,本人の脳波データも感情推定に利用することにより,55.5%の精度になることも同時に確認した.このことから,個人への適応技術の導入により,実環境でも利用できる技術にすることができるのではないかとの知見を得ることができた.なお,本年度,本研究に関する成果として,投稿論文1件,国際発表5件,国内発表21件を行った.
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
Journal of Communication and Computer
巻: Vol.12, No.2 ページ: pp.67-72
https://kenkyudb.doshisha.ac.jp/rd/html/japanese/researchersHtml/109020/109020_Researcher.html