研究課題/領域番号 |
24700220
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
安田 宗樹 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (20532774)
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キーワード | ソーシャルネットワーク / 統計的機械学習 / 確率的情報処理 / 確率的ナウ・キャスト推定 / 統計的性能評価解析 |
研究概要 |
通信インフラの普及や道路交通網の整備に伴い,ソーシャルネットワークという考え方と,そのネットワーク上でのソーシャルデータの活用法の発展が重要となってきている.本研究課題では確率モデルとして設計されたソーシャルネットワークモデルを利用し,ソーシャルネットワーク上でのデータ推定問題・データマイニング問題等へ,統計的機械学習理論・情報統計力学・情報理論を融合的に扱う確率的情報処理理論の立場からアプローチし,問題解決のための糸口を提案していくことを主たる目的としている.当該年度における主要な研究実績は以下の2点である. ①道路交通ネットワーク上での確率的ナウ・キャスト推定モデルとそれに対する処理計算アルゴリズムの提案. ②前年度に提案したビリーフプロパゲーションを基礎とした高性能統計的近似計算法の一般化. 特に①は当該研究課題の主要な目的に直接的に関連する重要な成果である.①の研究成果は学術論文誌「Inverse Problems」に掲載され,さらにその論文誌のwebページにてショートニュースとして選ばれ,掲載されている.また更に当該年度は,①で提案した確率的ナウ・キャスト推定モデルの統計的性能評価の解析的見積もりの研究も進めており,成果をまとめて学術論文誌に投降中である.②の研究成果についても学術論文誌「Journal of Physics A」に掲載されている. 上記2点の研究成果とは別に,従来のモンテカルロ積分法を発展させた,新しい高効率な統計的近似計算法の開発も進めており,その研究成果は当該年度末に日本物理学会にて発表をしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【研究実績の概要】の項で述べた通り,当該年度は実際のソーシャルネットワーク(宮城県仙台市の道路交通ネットワーク)に対する確率的ネットワーク推定の枠組みの提案に成功しており,それに付随する,統計的性能評価解析などのいくつかの成果の創出にも成功した. これらの成果は当該研究課題の主要な目的に直接的に関連したものであり,交付時の研究実施計画を十分に達成していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
当該年度は道路交通ネットワークに対して一定の成果を挙げた.今後の研究方針の主軸は, 提案した道路交通ネットワークに対する確率的アプローチをさらに学術的に深化させることと,そこで培う技術を道路交通ネットワーク以外のソーシャルネットワーク問題へと転用することと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
数値シミュレーション用ワークステーションの購入を検討していたが,当該年度中の納期が間に合わなかったため,その分で次年度使用額が生じた. 次年度使用額により数値シミュレーション用ワークステーションを購入し,平成26年度に行う予定の研究計画と併せて実施予定である.研究計画自体に変更はなく,当初の予定通りに計画を進める.
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