研究課題
若手研究(B)
申請者等はこれまでに非同期順序回路神経細胞体モデルを提案してきた.平成24年度は同モデルに関して以下の研究成果を得た.(1)生物の神経細胞体や標準的な神経細胞体モデルの膜電位の動作を自動的に再現するための非同期順序回路神経細胞体モデルに対するパラメータ更新法の一般化に取り組んだ.その結果,生物の神経細胞体や標準的な神経細胞体モデルが呈する複雑な非線形応答特性とその背後にある分岐現象の自動的な獲得が可能であることを示した.(2)再構成可能VLSIに非同期順序回路神経細胞体モデルとそのパラメータ更新法を実装し,生物の神経細胞体や標準的な神経細胞体モデルが呈する複雑な非線形応答特性とその背後にある分岐現象をVLSI内に自動的に獲得することが可能であることを実機実験で検証した.
2: おおむね順調に進展している
交付申請書においては以下の項目を「研究の目的」に掲げた.(1)非同期順序回路を用いた小面積・低消費電力な神経細胞モデルの提案.(2)動的再構成可能FPGA技術を用いた提案神経細胞モデルのオンチップ学習法(=自己再構成法)の提案.(3)提案神経細胞モデルのネットワークを用いた神経補綴専用VLSIの設計手法の構築と,従来の神経補綴手法との比較による提案手法の優位性の検証.24年度は特に(2)に着目して研究に取り組み,ほぼ目的を果たせた.これにより,25年度と26年度は(1)と(3)に集中して取り組むことが出来る.
今後は提案神経細胞モデルのネットワークの実機実装が主要なテーマの一つになる.そこで24年度に購入したFPGAボードを用いて同ネットワークを実装し,神経補綴専用VLSIの設計方法の確立を目指す.
提案神経細胞モデルのネットワークを実装するために,FPGAボードやその周辺機器などの購入が必要になる.また同ネットワークを実装・設計するためにはVLSI設計や神経科学に関する高度な知識が必要になるので,それらの専門分野の研究者との研究打ち合わせのための旅費が必要になる.
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IEICE NOLTA Journal (Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE)
巻: Vol. 4, No. 1 ページ: 111-126
10.1587/nolta.4.111
IEICE Trans. Fundamentals
巻: Vol. E95-A, No. 8 ページ: 1317-1328