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2013 年度 実績報告書

形質依存と獲得に基づく遺伝的プログラミングの手法開発とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 24700234
研究機関関西大学

研究代表者

花田 良子  関西大学, システム理工学部, 助教 (30511711)

キーワード進化計算 / 遺伝的プログラミング / 交叉 / 木構造 / 局所探索
研究概要

遺伝的プログラミング(GP)において,親のよい形質を効率的に子へ受け継がせることが可能な多段階探索交叉を改良し,人工蟻のシミュレーション,画像の非線形フィルタの設計に応用した.
GPで扱う木構造は解のサイズが可変であり,部分木の単純な組み換えの繰り返しは,しばしば,探索の過程で解である木が急激に膨張するブロートとよばれる現象を引き起こす問題がある.対象とする問題は,評価値に影響を与えない部分木が多く生成され,ブロートが起こりやすい問題である.提案している多段階探索交叉は,木構造の距離の定義のもと,一方の親から他方の親へと距離を縮める方向に局所探索を繰り返し探索を進める.木の部分構造および個々のノードの記号が個体の評価値に大きく寄与することを踏まえ,交叉を適用する両親間に共通して見られる部分木およびノードを子に遺伝させるべき形質とし,それらを破壊しないような近傍およびそれに対応する距離尺度の定義のもとで,交叉を構成した.具体的には2つの木について根を起点とした共通部分木を抽出し,それとの排他的論理和で得られる非共通なノード,部分木の集合の要素数により距離を定義した.共通部分木を抽出するにあたり,非終端ノードにおいて子部分木の適用順序を考慮するため,木を有向順序木で表現している.局所探索において,現在の解からの遷移対象となる近傍解については,両親の共通部分木内部でのノードの組換え,およびその他の異なる部分木でのノードの挿入・削除により生成する.これにより,木の爆発的な成長を抑制しつつ,両親の形質の受け継ぎ方が多様な子個体群を生成した.
最適解が既知の問題である小規模の人工蟻のシミュレーション,およびスタックフィルタ設計に適用し,本手法が非常に限られた集団サイズ(一般にGPで用いられる1/100程度のサイズ)のもと,ブロートを完全に抑制しつつ最適解を高い確率で得ることを確認した.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Island Model Genetic Programming Based on Frequent Trees2013

    • 著者名/発表者名
      Keiko Ono, Yoshiko Hanada, Masahito Kumano and Masahiro Kimura
    • 雑誌名

      Proc. 2013 IEEE Congress on Evolutionary Computation

      ページ: pp. 2988--2995

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 遺伝的アルゴリズムによる輝度勾配情報を考慮した荷重メジアンフィルタの設計2013

    • 著者名/発表者名
      鈴木達也,花田良子,棟安実治
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」

      巻: Vol. 6(3) ページ: pp.53--65

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 遺伝的アルゴリズムによる荷重メジアンフィルタの多目的最適化に基づく設計2013

    • 著者名/発表者名
      鍋谷洋介,花田良子,折登由希子
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」

      巻: Vol. 6(3) ページ: pp.106--116

    • 査読あり
  • [学会発表] 遺伝的プログラミングにおける多段階探索交叉の性能評価2013

    • 著者名/発表者名
      花田良子,小野景子,折登由希子
    • 学会等名
      進化計算学会 進化計算シンポジウム2013
    • 発表場所
      霧島ホテル(鹿児島県)
    • 年月日
      20131214-20131215
  • [学会発表] 自己相関関数のNKモデルへの当てはめによる最適化の難しさの定量化2013

    • 著者名/発表者名
      折登由希子, 花田良子
    • 学会等名
      平成25年度 日本経営工学会
    • 発表場所
      慶應義塾大学矢上キャンパス(神奈川県)
    • 年月日
      20130518-20130519
  • [学会発表] 遺伝的プログラミングにおける遺伝的局所探索法の近傍と温度パラメータの検証2013

    • 著者名/発表者名
      花田良子,細川長洋,小野景子,折登由希子
    • 学会等名
      第57回システム制御情報学会研究発表講演会
    • 発表場所
      兵庫県民会館
    • 年月日
      20130515-20130517
  • [学会発表] 半構造データを用いた頻出木交叉2013

    • 著者名/発表者名
      小野景子,花田良子,熊野雅仁,木村昌弘
    • 学会等名
      第57回システム制御情報学会研究発表講演会
    • 発表場所
      兵庫県民会館
    • 年月日
      20130515-20130517
  • [学会発表] 遺伝的プログラミングにおける演算順序を考慮した多段階探索交叉の有効性の検討

    • 著者名/発表者名
      花田良子,小野景子,折登由希子
    • 学会等名
      計測自動制御学会第3回コンピューテーショナル・インテリジェンス研究会
    • 発表場所
      大阪大学大学院情報科学研究科棟
  • [学会発表] 組合せ最適化問題における遺伝的アルゴリズムの最新技術~巡回セールスマン問題やスケジューリング問題,画像処理技術への応用を例として

    • 著者名/発表者名
      花田良子
    • 学会等名
      日本経営工学会中国四国支部第3回講演会
    • 発表場所
      広島大学・東千田キャンパス
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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