研究課題/領域番号 |
24700236
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
福本 誠 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (60422028)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 進化計算 / 香り / 音楽 / 脳計測 |
研究概要 |
平成24年度は,当該研究課題について,(1)対話型進化計算によるメディアコンテンツ生成に関する研究,(2)脳情報計測技術の確立,の2点に注力して研究を実施した. (1)の研究内容は,対話型進化計算を用いてユーザの感性や好みに合うメディアコンテンツのパターンを探索するというものである.これまでは,音,香りのメディア中心に研究を行ってきたが,新たにモバイル機器で用いられる振動についても研究を行っている.また,このような新たなメディアに対応する手法を提案するとともに,進化計算のアルゴリズムの改良にも取り組んでいる.対話型進化計算は,通常の進化計算とは異なり,少ない評価回数で良い解の探索を行わなければならないため,このような制約条件に適した解探索アルゴリズムが必要である.また,個体の評価をユーザが行うため,人間が評価しやすいような評価方法が求められる.今年度は,個体数を徐々に削減する手法や,生成された個体(音楽メロディ)をユーザが直接操作するような手法を提案した.また,手法の効果を調査するための実験を行った. (2)については,脳波計測のみを行う最初の予定を若干変更し,近赤外光を用いる脳機能計測(NIRS)にも取り組むこととした.脳波計測についは新たな成果を得られていないものの,NIRSについては,楽曲メディアを聴取中の脳情報計測を行うなど,新規に導入した機材の使用を順調に行っている. その他,今後の研究の拡張性を考慮し,色に関する印象評価や生体計測の基礎的な調査も行った.平成25年度は,これらの研究成果を踏まえ,脳情報のリアルタイムフィードバックを用い,対話型進化計算によるメディアコンテンツ生成技術の拡張を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の研究目的は,対話型進化計算によるメディアコンテンツ生成に関する研究と,脳情報計測技術の確立,の2点であった.前者については幾つかの研究成果を発表している.後者については,脳波だけではなく脳機能計測も行うこととしたため,若干の計画の遅れが生じたが,楽曲聴取中の脳機能を計測し,その研究成果を発表する段階までこぎつけた.上記の理由から,おおむね順調に研究を遂行したと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究目的は,対話型進化計算によるメディアコンテンツ生成の技術と,脳情報計測技術をつなぎ,フィードバックシステムを構築することにある.脳波だけではなく脳機能計測も行うこととしたため,このシステムを構築するためには,研究計画を若干前倒しで遂行する必要があると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究内容の中心は,対話型進化計算によるメディアコンテンツ生成の技術と,脳情報計測技術をつなぎ,フィードバックシステムを構築することにある.このシステムの構築に必要な機材の大部分は,平成24年度に頂いた研究費で賄っている.平成25年度には,システムの有効性を調べるための実験を行うため,被験者に支払う謝金に研究費を用いる予定である.また,平成25年度が当該研究の最終年度であるため,研究成果発表のためにも研究費を要する.平成24年度の残額84,379円は成果発表(特に論文別刷代)のために残してあったものであり,年度内での使用は行わなかったが,これについても成果発表のために活用する予定である.
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