研究課題
本研究では,看護師の労働不可を軽減し,質の高い医療サービスを提供することを目的として,看護師の勤務希望を柔軟に取り入れたナース・スケジューリング法を開発した.具体的には,勤務表を構成する局所的な記号パターンのブロックに着目し,局所記号パターン同士の隣接関係(類似性)を表現する.次に,構築したこれらの局所ブロックの類似性に基づいて,遺伝的アルゴリズムを用いて勤務表の自動作成を行った.具体的には,看護師の勤務に関するガイドラインを完全に満たしつつ,各看護師からあらかじめ提出された希望勤務表を可能な限り満足する勤務表を生成するため,希望勤務表内の局所的なブロックパターンと,遺伝的アルゴリズムで用いる各個体内の局所的なブロックパターンとの類似性をレーベンシュタイン距離をもとに定義した.次に,この類似性をもとにして,勤務表を評価するための評価関数を設計し,遺伝的アルゴリズムを用いて勤務表の作成を行った.遺伝的アルゴリズムにおける探索の際には,突然変異に改良を施し,突然変異を適用する箇所についても,レーベンシュタイン距離を用いることで,効果的な突然変異を実現することが可能となった.提案手法を用いて22人の看護師が30日勤務するスケジュールを生成した結果,勤務に関するガイドラインを完全に満たす勤務表を生成することができた.また,ガイドラインを完全に満たしたうえで,各看護師の勤務希望を平均79.4%程度満足することが可能となった.以上のことから,提案手法を用いることで,各看護師の勤務希望を約80%程度満たしつつ,勤務に関するガイドラインを完全に満たす勤務表を生成することを明らかにすることができた.また,探索手法である遺伝的アルゴリズムや粒子群最適化法に関しても,基本的な探索性能を改善することができた.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件)
International Journal of Innovative Computing, Information and Control
巻: 10 ページ: 1509-1518
Innovative Computing, Information and Control Express Letters
巻: 8 ページ: 2069-2074