本研究では、外国語学習場面でこれまで使われている翻訳中心の語彙学習方法とコミュニケーション場面から語彙を推測しながら習得する方法がどこのように異なるのかについて、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて検討を行った。主要な結果は以下の2点である。第一に、コミュニケーション学習は翻訳中心の学習に比べ、言語コミュニケーション活動に必要とされる広い範囲の脳領域が学習時に関与することである。第二に、記憶を司る海馬、他人の意図を読み取る社会認知領域、運動野が学習者の成績に関与していることが明らかになった。本研究を通して社会的場面からの言語学習の重要性が初めて明らかになった。
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