• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

ヒトを含む霊長類における同調行動と自己・他者表象に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24700260
研究機関京都大学

研究代表者

服部 裕子  京都大学, 霊長類研究所, 研究員 (60621670)

キーワード同調行動 / チンパンジー / 社会性 / 進化 / 比較認知科学
研究概要

ヒトを含め複雑な社会をもつ生物にとって、血縁関係を超えて様々な他者と協力し良好な関係を維持する事は、生存する上で非常に重要である。近年、個体間で起こる同調行動が、他者との親密な関係形成を促す事が示唆されている。そこで本研究では、ヒトを含めた霊長類を対象に、外部刺激に対する同調傾向を調べ、そうした傾向が自己・他者表象や利他的行動へ与える影響について実験的に検討することを目的として、平成24年度から研究を行ってきた。前年度に整えた実験環境を用いて、本年度は、さらに複雑なリズムに対するタッピングの同調傾向について、ヒトとチンパンジーを対象に実験を進めた。具体的には、一定期間電子キーボードへのタッピングを行う間に、等間隔の音のリズムにさらにアクセント音を加えた刺激を提示し、タッピングのリズムが音刺激に対してどのようにひきこまれるのかについて調べた。繁殖計画等の理由から、データ収集が完了していないチンパンジーもいるが、前年度で行ったメトロノーム音を用いた実験同様に、音刺激が自発的なテンポに近い場合には、引き込みが観察された。また、強いリズム音を提示した際に、訓練されたタッピングとは別にチンパンジーが自発的に体全体をを揺らす、ロッキングに近い行動を示すことも、観察により確認された。これらの結果から、音楽で用いられる複雑なリズムについてもある程度はヒト以外の霊長類も知覚可能であり、自発的に体の動きをそれらに合わせる傾向を持っていることがわかった。こうした行動傾向は、高度な音声コミュニケーションとは別に、ヒトの進化の過程で獲得されてきたことが示唆される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Spontaneous Synchronized Tapping to External Rhythms in Chimpanzees2014

    • 著者名/発表者名
      Yuko Hattori
    • 学会等名
      AAAS Annual meeting
    • 発表場所
      Chicago, United States
    • 年月日
      20140213-20140217
    • 招待講演
  • [学会発表] チンパンジーにおける音のリズムに対する自発的な同調タッピング2013

    • 著者名/発表者名
      服部裕子、友永雅己、松沢哲郎
    • 学会等名
      第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会合同大会
    • 発表場所
      岡山理科大学
    • 年月日
      20130906-20130909
  • [学会発表] チンパンジーにおける音のリズムに対する自発的な同調タッピング2013

    • 著者名/発表者名
      服部裕子
    • 学会等名
      日本動物心理学会第73回大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20130900
  • [学会発表] Spontaneous synchronized tapping to an auditory rhythm in a chimpanzee2013

    • 著者名/発表者名
      Hattori, Y., Tomonaga, M., & Tatsuzawa, T.
    • 学会等名
      The biennial meeting of the Society for Music Perception and Cognition
    • 発表場所
      Ryerson University ,Toronto, Canada
    • 年月日
      20130808-20130813

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi