研究課題/領域番号 |
24700266
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
三浦 久美子 早稲田大学, 人間科学学術院, その他 (20548705)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 色彩 / 香り / 調和感 / 可視化 / 国際標準モデル |
研究実績の概要 |
本研究課題では、2012年度から3年間にわたって、「色による香りの可視化モデル」の国際標準モデルの構築を試みている。研究代表者は、印象や感覚といった次元における色と香りの調和性や組み合わせに着目し、継続して研究を行っており、数多くの成果を報告してきている。これまでの成果を踏まえ、本研究課題では、研究対象を海外へまで広げ、「色による香りの可視化モデル」の国際化を試みることを目的としている。本研究では、日本、フランス、ベトナム、インドの4カ国を実験対象とし、4つのサブゴールを設定して、研究を進めてきた。 具体的には、第1段階では4カ国における香りの感覚的表現用語を検討した。第2段階では、各国を対象に150種程度の香りを感覚次元上で分類した。第3段階では、香りを表現する色を検討した。そして第4段階として、これまで得られた結果を用い、色による香りの可視化式を構成し、「色による香りの可視化」の国際標準的モデルの構築を試みた。 その結果、感覚的次元における色と香りの関係性は、ある程度安定した傾向が観察された。一方、各国の特徴的傾向も得られ、それは特に香りに対する文化的背景の影響が示唆された。また、色や香りの印象を表現する形容語に関して、広く一般的に受け入れられる軸を作成しようとした場合、日本語の持つ行間の奥行や曖昧さを明確にすることが課題として浮き彫りになってきた。 以上の実験を、助成期間の3年間で、ほぼ当初の計画通りに達成することができ、2014年度には、9月に同志社大学で開催された日本心理学会全国大会におけるワークショップで話題提供者として参加し、公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、以下の4つのサブゴールを設定していた。 1)4カ国における香りの感覚的表現用語の検討、2)各国における150種程度の香りの感覚次元上での分類、3)香りを表現する色の検討、4)色による香りの可視化式の構成と「色による香りの可視化」の国際標準的モデルの構築 以上のうち、第3段階までの全ての工程を行い、現時点では第4段階における「色による香りの可視化」の国際標準モデルの構築を試みている。その過程で、追実験の必要性が生じてきているが、当初の計画における目的に対して、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
日本語の持つ行間の奥行や曖昧さを明確にするという課題に取り組んでいく。 まず、日本人を対象とした実験を計画している。本研究では、香りを表現する日本語の感覚的表現用語の洗い出しと精査から始めている。これに関して、特に日本語の形容語、あるいは比喩表現などが、非常に曖昧であり連想表現には個人差が多いことが改めて分かった。このことから、嗅覚情報に対して一般的な有効表現を検討し、提案する為、予算の余りを使用して、国内における実験を追加することとした 具体的には、10~50歳代の日本人100~200名程度(各世代10~20名)を対象に、様々な香りを嗅ぎ、それらの印象について、言葉(形容語、比喩表現、連想物など)による表現をしてもらい、その理由を、詳細にインタビューする。その上で、それぞれの香りを的確に表現できる色を、2パターンの方法(連想およびカラーカードからの選択)によって答えてもらう。以上の追実験の結果を詳細に振り返りながら分析し、これまでの結果に組み込み、可視化モデルの精度を高めることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画で予定していた国際学会への参加を見送った(実験追加の必要性が感じられた為)こと、また、実験補助者への謝礼金が見込みよりも削減できたことにより、経費に余りが生じた。一方、研究においては、これまでの研究結果を踏まえると、更なる追実験の必要性が感じられた。したがって、研究期間の延長申請を行い、2015年度も継続して研究を行うことを計画している。
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次年度使用額の使用計画 |
追実験は、日本人を対象とする。本研究では、香りを表現する日本語の感覚的表現用語の洗い出しと精査から始めている。これに関して、特に日本語の形容語、あるいは比喩表現などが、非常に曖昧であり連想表現には個人差が多いことが改めて分かった。このことから、嗅覚情報に対して一般的な有効表現を検討し、提案する為、予算の余りを使用して、国内における実験を追加することとした。
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