研究課題
本年度も引き続き、統計的因果推論における最大の課題である潜在交絡変数を許す方法の研究開発を行った。事前分布の選択へのsensitivityを調べるために、いくつかの事前分布を検討し、国際会議論文として出版した。具体的には、スケーリングの影響を緩和すべく変数を標準化した場合の事前分布の検討を行った。また、実データによる方法論の検証も引き続き行い、脳活動計測データに適用し、方法論の検証を行った。現在、これに関する研究成果を出版すべく準備中である。より具体的には、複数の被験者について測定された脳活動計測データから、脳内因果ネットワークの推定を行った。そして、被験者の属性によって異なる因果構造がないかを調べた。並び替え検定のアイデアを用いた多重比較を行い、候補となる因果構造を見つけた。研究機関全体を通じては、因果探索のためのモデルであるLiNGAMモデルにおいて複数データセットを融合する場合の推定原理の確立と、それに基づく直接推定法の開発を行った。そして未観測交絡変数がある場合へと拡張した。ヘテロ集団に対応するために未観測クラスがある場合も研究した。この拡張は、非線形モデルへの拡張とみなすこともできる。また、時間的に因果構造が変化するような場合へも拡張した。生命科学への応用としては、脳活動計測データの模擬テータや実データに適用し、実用上の課題を見つけるとともに、分析から得られた情報を神経科学の共同研究者にフィードバックした。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件、 招待講演 9件) 備考 (1件)
Advanced Methodologies for Bayesian Networks, Lecture Notes in Computer Science
巻: 9505 ページ: 222-223
10.1007/978-3-319-28379-1_16
巻: 9505 ページ: 209-221
10.1007/978-3-319-28379-1_15
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