研究課題/領域番号 |
24700280
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
川野 秀一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50611448)
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キーワード | 機械学習 / 判別分析 / モデル評価基準 / スパース学習 / 正則化法 / ベイズ理論 |
研究概要 |
本年度においては,まず,昨年度に引き続き半教師あり識別・判別法に関する研究に取り組んだ.特に,ラベルあり・なしデータが異分布性を有する際の半教師あり学習法について研究を続けた.昨年度の研究成果に加え,半教師あり学習モデルで一般に用いられている半教師ありサポートベクターマシーンやトランスダクティブサポートベクターマシーンと数値的に比較することにより,提案手法の有効性を検証した.さらに,異分布性を捉えるために採用している統計手法とカーネル密度推定法との関係性を比較した.得られた研究成果は,学術雑誌Statistical Analysis and Data Miningに掲載された.また,スパース推定法の一つである,ブリッジ推定法に関する研究についても行った.ブリッジ推定法の利点は,含まれるチューニングパラメータの値を調節することによって,スパース推定の有無の切り替えが行えることである.このチューニングパラメータの値を客観的に選択するために,ベイズ理論の観点から新たにモデル評価基準を提案した.提案したモデル選択法は,交差検証法やブートストラップ情報量規準等の従来までのモデル選択法と比較検証された.また,他のスパース推定法とも数値実験を通して比較することにより,提案手法の有効性を立証した.得られた成果は,研究論文として発表するとともに,国内の学会シンポジウムや国際会議The 2013 Joint Statistical Meetings で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラベルあり・なしデータの異分布性を考慮に入れた半教師あり識別・判別モデルの研究成果を学術雑誌に掲載することができ,スパース推定の研究についても取り組むことができたため.
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今後の研究の推進方策 |
半教師あり学習法は,転移学習と呼ばれる学習法の特別な場合であると捉えることができるため,この転移学習の枠組みまで提案手法を拡張する.また,オンライン学習の枠組みまで提案手法を拡張することができるか検討を行う.スパース推定法については,主成分分析や因子分析等の教師なし学習型多変量解析に適用できるように拡張する.
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