抗がん剤の最適な用量又は用量組合せを決定するための用量探索研究のデザインと解析に関する統計的方法論の研究・開発を行った.先ず,それらの統計的方法論とそれに関連する話題を網羅的に整理して総説をまとめた.次に,抗がん剤の用量又はその組合せと毒性発現の関係構造が未知であるが故に,それに対する統計モデルの誤規定が生じ得るという問題に注目し,これを解決するために,モデル適応的用量探索デザインを提案した.シミュレーションの結果,このデザインが従来のデザインよりも良好な性能をもつことが示された.最後に,がん領域における新たな治療開発の動向を意識して,がん分子標的薬の用量探索デザインに関する調査を行った.
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