研究課題/領域番号 |
24700288
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研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
小林 景 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (90465922)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 代数統計学 / 漸近的統計理論 / 計算機代数 / 幾何学的統計学 |
研究実績の概要 |
本研究では,代数的な計算手法やアルゴリズムを用いて既存の統計的解析手法を,統計的有効性や計算量の観点から改良することを目指している.本年度は,これまで研究してきた(1)1次,2次の漸近有効性をもつ推定量の代数的な特徴付け,(2)その特徴付けを用いた,グレブナー基底による推定方程式の次数減少の実現,(3)次元減少後の推定方程式のホモトビー連続法での推定値の計算量削減について論文としてまとめたものをGeometric Theory of Information (Signals and Communication Technology)において発表した.また,代数統計の一分野としても注目されているデータ空間の曲率やCAT(k)特性に注目したデータ解析についても,新しい手法を提案し,その理論づけを行った.具体的には,データの分布と,その分布のサポートの空間の距離を経験グラフとよばれる距離グラフ構造で近似し,その辺の長さを指数的に変化させることによりデータ空間の曲率を変化させる.これにより,データ解析や特徴抽出に最適なデータ空間の曲率を選ぶことが可能となる.本成果は国際学会MaxEnt2014で発表され,ProceedingがAIPによって出版された.本研究のようなデータ空間の距離グラフによる近似は,その代数的な特徴を定義付け,評価する上でも重要であり,今後はより代数的な理論や手法の発展が期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はこれまでの成果を論文として発表し,多くの研究者から本研究の独創性について評価的なフィードバックをうけた.予定していた大規模ランダム行列の研究については,スケジューリング問題への応用に関する共同研究を開始したが,成果の発表は次年度となる予定である.一方,データ空間の距離グラフ近似への代数学の応用についての研究を新たに開始した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本科研費の最終年度となるため,成果のまとめと公表をさらに進める.特に,Algebaraic Statistics Conference 2015に参加,発表する.また,主たる共同研究者のHenry Wynn教授(London School of Economics)を招待し,研究のまとめと今後の方針についての研究打ち合わせを行う.さらに,大規模ランダム行列の応用,データ空間の距離グラフ近似に関する研究についても,共同研究者との打ち合わせと成果の公表を行う.
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