研究課題/領域番号 |
24700290
|
研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
茅野 光範 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (20590095)
|
キーワード | バイオインフォマティクス / システム生物学 / 応用統計学 |
研究概要 |
本研究の3つの研究テーマのうち、2つのテーマ、つまり、「多種多様大規模生命科学データのための柔軟な統計解析手法の構築」(特に、オミックスデータの個別の解析手法やオミックスデータを統合解析する手法の提案)と「動植物の分子・個体・集団レベルのシステム解明を目指す統計解析手法の構築」(例えば、農畜産データの統計解析))について、以下の10件の研究を主に行った。 [オミックスデータの統計解析]: 1. 前年度に引き続き、特徴的な遺伝子発現パターンを高速、かつ、効率的に検出する統計手法の提案を検討中である 。関連するレビュー論文が学術雑誌に採択された。2. 1.などに関連した統計手法を提案しアルツハイマー病の超早期診断へ向けて、2編の論文を執筆中。関連する解説論文が出版された。3. 前年度に引き続き、時系列で観測された遺伝子発現量に基づき、遺伝子選択を行うための回帰モデルを提案した。今年度は更に、メタボロームの時系列データへの適用を試みた。現在、論文を執筆中である。 4. 前年度からの継続で、低次偏相関係数とオミックスデータを用いた代謝パスウェイ推定法を提案した。関連する論文が掲載された。 [農畜産データの統計解析について]:前年度からの引き続きで、5. 乳牛の分娩事故のリスク要因を特定するための回帰モデルの研究、6. 乳牛の健康管理のデータに関する研究、7. 長イモの種イモ自動(高速)切断機械のためのモデリング研究を行った。これらに関連する論文を執筆中である。今年度新たに、以下の3つの研究を行った。8. 乳牛の繁殖成績を評価するための仮説検定を適用し、関連する論文が学術雑誌に掲載された。9. 細菌の共通配列の良さを評価するための仮説検定を考えた。論文を投稿中。10. 乳牛の受胎率への影響因子を評価するために回帰モデルの適用を考えた。論文を投稿準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に挙げたように、本研究の3つのテーマのうち2つについて、10件の研究を行った。その結果、4編の論文が学術雑誌に受理され、1編の論文を投稿中、9編の論文を準備・執筆中である。また、4件の学会発表を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の3つの研究テーマのうちの1つ、「多種多様大規模生命科学データのための柔軟な統計解析手法の構築」(特に、オミックスデータの解析)を中心に研究を進める。現在、準備・執筆中の論文を学術雑誌に投稿する。また、多層オミックス解析のための統計手法の提案にも取り組みたい。さらに、前年度に取り組めなかった課題、テーマ(例えば、「最尤推定量の近似計算や尤度関数値の評価などによる新たな高速統計解析手法の提案」)についても引き続き、研究を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
「旅費」としての出費が予定よりも少なく、「その他」等の出費もほとんど無かったため。 「旅費」として、国内の学会参加や研究打ち合わせに使用予定である。
|