研究課題/領域番号 |
24700295
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木戸 善之 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 客員研究員 (70506310)
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キーワード | 分散並列コンピューティング / 遺伝子発現ネットワーク推定 / ジョブスケジューラ |
研究概要 |
本研究では大規模な遺伝子発現プロファイルによる遺伝子制御ネットワークの推定のための分散並列手法の開発を行っている.大規模なネットワーク推定にベイジアンネットワークを用いて全件探索を行う場合,計算量が指数的に増加することから,推定する遺伝子数を絞込むことで計算量の軽減を図る必要がある.複数コア計算機の分散並列環境で効率的な計算を行うため,分散並列アーキテクチャによるワークスティーリング方式に適用することでジョブを管理するマスタが有休計算機に対し再割り当てを行い,またワーカでは局所解に陥った推定計算の打ち切りなどを行うことで効率化,推定の向上を目指す.平成25年度ではスケジューラのフレームワークの研究開発について実施し,成果報告を研究会等で行った.具体的な成果としては 1.計算資源とネットワーク資源を考慮した割当ポリシを配備可能とするジョブ管理フレームワーク 2.Prototyping and Evaluation of a Network-aware Job Management System on a Cluster System Leveraging OpenFlow の2点が挙げられる. 1および2の成果報告では,計算機資源やネットワーク資源をスケジューラに組み込むためのフレームワークの成果報告を行った.2ではプロトタイプとして作成したスケジューラの評価を行い,1ではアプリケーションから得られる情報を元に動的に計算機資源を割り当てるスケジューラの報告を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フレームワークの開発に遅れが生じ,そのため成果をまとめる論文作成に遅れが生じた.また大きな要因としては研究者の異動に伴う,作業の遅れが挙げられる.研究者は一年ごとに異動(阪大->理研->現在、阪大)しており,そのための研究環境の移設や,本務との兼ね合いから本研究の遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究はアプリケーションからのフィードバックをスケジューラに考慮できるようフレームワークを開発し,その上で遺伝子発現ネットワークの解析を行う.フレームワーク開発の遅れから全体のスケジュールが遅れているが,今後は遺伝子発現ネットワークの解析アプリケーションとフレームワークベースのスケジューラとの連携部分の開発が必要となる.この点に関してはフレームワーク開発時に共通ライブラリを作成しているため,開発工数の短縮が見込まれる.また連携部分はRESTインターフェースを用い,オープンソースとして公開されている様々なRESTインターフェースツールおよびライブラリを用い,工数の短縮を図る.
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度では,研究者の異動に伴い研究開発の遅れが生じ,そのため研究報告が当所の予定より少なくなり,予算に残額が生じた.またテスト用の環境などの移設のため,補強する計算ノードの購入を見送った. H26年度では開発の遅れを鑑み,H25年度に繰り越した金額を委託業者などへの開発予算に割り当てることによって,開発工数の削減を図る.
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