研究課題
本研究では、急性単離した黒質網様部GABA作動性ニューロンの自発発火頻度及び膜電位をグラミシジン穿孔パッチクランプ法によりモニターし、種々の細胞外グルコース濃度環境下にて、灌流液温度を37℃から低下させて、自発発火が停止する温度を解析することを主眼としている。その後、温度による自発発火の調節に関わる分子同定を行うことを予定としていた。現在までのところ、昨年度までに観察されていた実験中に記録している神経細胞の形が変形してしまうという事象(具体的には成果報告書に写真を参照のこと)を改善するに至らなかった。実験効率を優先させるために遺伝子改変マウスを用いて、蛍光タンパクを目印として細胞同定を行っていたが、細胞選別までの間に励起光によってダメージを受けていた可能性もある。また単離を行うための酵素処理もダメージの一因である可能性が高い。本来、SNrGABAニューロンは高頻度自発発火しているためエネルギー要求性が他のニューロンよりもシビアであり、さらに温度変化によるダメージも想定外の要因となっているのではないかと考えられる。しかしながら、まだ完成に至っていないが、発見した新しい知見を含めて、論文執筆を進めている。本研究課題で標的としているSNrGABAニューロンにある程度のサブポピュレーションが存在する可能性が示唆される結果を得ていることから、SNrGABAニューロンを標的とする研究では解析に注意が必要であると考えられる。
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