研究課題
平成24年度の研究から、研究を計画していたBAC-PV-Cre transgenicマウスとCAG-lox-LacZ-lox-GFPマウスを用いた神経細胞の移植実験では、シャンデリア細胞をラベルし、解析することが難しいことがわかった。そこで、計画を修正し、平成25年度は胎生17.5日目にタモキシフェンを投与することで、多数の大脳皮質のシャンデリア細胞を標識することができるNkx2-1-CreERノックインマウス(Taniguchi et al., Science, 2013)をジャクソン研究所より購入し、実験を行うことにした。このマウスはPV-creマウスを用いるよりもより効率的 にシャンデリア細胞ルすることができる点や、シャンデリア細胞を生み出している前駆細胞をラベルすることができる点で非常に優れている。まず、このマウスを熊本大学生命資源研究支援センターにおいて、クリーンアップを行い動物飼育施設において実験が行えるようにした。このNkx2-1-CreERノックインマウスとRosa26-floxed-YFPマウスを掛けあわせ、胎生17.5日目にタモキシフェンを投与し、生後1日目に観察を行い、YFP陽性細胞の分布を観察した。その結果、吻側側脳室の腹側にYFP陽性細胞を認めることができた。この細胞群は胎生17.5日目にNkx2.1を発現していた細胞である。シャンデリア細胞は、発生過程においてはその特徴的な、形態は2週齢以降でなければ観察できない。現在は、同じく胎生17.5日目にタモキシフェンを投与した個体を用いて、成長後にシャンデリア細胞が認められるか確認している。このマウスの大脳皮質においてシャンデリア細胞が観察できれば、今後は、この細胞を蛍光顕微鏡下でピックアップして、シングルセルマイクロアレイ解析を行う予定である。
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