研究概要 |
「中枢神経が機能再生する」という現象を正確に理解するため、我々は人間においても脳が損傷を受けた後に損傷を免れた部位が失った機能を肩代わりすることで「自然に」ある程度の機能回復が起こりリハビリテーションなどでそれがさらに促進されるという知見に着目した。この現象が定式化できれば、中枢神経損傷後の再生治療やリハビリテーションの改良に繋がるかも知れない。そこで初めに、中枢神経損傷後の可塑的変化を表現するのに最適なニューロンモデルの決定が必要となる。先行研究から、中枢神経損傷後の可塑的変化は大きく単一ニューロンレベルでの現象とニューロンネットワークとしての現象の二つに分けられる。単一ニューロンのモデルとしてHodgkin Huxley Model, Morris Lecar model, , FitzHugh Nagumo model, LIF (leaky integrate and fire) modelがある。本研究では、モデル化されたニューロンを素子とした多体系であるネットワークを解析的・数値的に解くという目的のため、まずは上記の中で最も解析が容易な LIF modelを選定した。
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