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2013 年度 実施状況報告書

中枢神経損傷後の可塑性を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 24700337
研究機関関西医療大学

研究代表者

羽田 克彦  関西医療大学, 保健医療学部, 研究員 (60506228)

キーワード中枢神経 / 損傷 / リハビリテーション
研究概要

中枢神経「システム」が適切に機能することとその構成要素である神経細胞、神経線維や神経結合が豊富にあることは等価ではないため、臨床試験で物理的な神経線維の数や長さが元通りになったとしても”てんかん”や不随意運動、種々の精神疾患などが誘発されることが予想される。この問題に対処するには「中枢神経が機能再生する」という現象を正確に理解しなければならない。我々は、人間においても脳が損傷を受けた後に損傷を免れた部位が失った機能を肩代わりすることで「自然に」ある程度の機能回復が起こりリハビリテーションなどでそれがさらに促進されるという知見に着目した。この現象が定式化できれば、仮に臨床治験で十分な効果が得られなかった場合、即ち有意な機能回復を得られなかった場合や重大な副作用(てんかん・痙攣、精神疾患など)を引き起こしたとしても、その原因究明が可能になり治療法の改良に繋がるかも知れない。我々は昨年度、中枢神経損傷後の可塑的変化を表現するのに最適なニューロンモデルLIF modelと選定した。中枢神経損傷後の可塑的変化は大きく単一ニューロンレベルでの現象とニューロンネットワークとしての現象の二つに分けられるが、IF neuronを用いて、単一ニューロンレベルでの可塑現象の定式化を進めている。そこでまず、IF neuronが適切なパラメータの適用によって数値的に再現されることを確認した。なお、ニューロンへの入力のタイミングはポアソン分布とした。時間を離散化した場合でも、連続時間の場合と同様の発火パターンが得られた。よって時間を離散化することで計算量を大幅に減らせることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

神経モデルの選定、数値計算を進めている。また、モデルを検証するための実験系もほぼ他立ち上がっており、現在は精密な損傷が可能か検証を進めている。

今後の研究の推進方策

STDP(spike-timing dependent synaptic plasticity)は神経ネットワークの中で検証される必要がある。そこで、我々は上記のIF neuronを基本素子としたネットワークモデルを構築した。二次ニューロン膜電位の時間発展を数値的に求めたところ、一次ニューロンと同様の発火パターンを得ることが出来た。この際、個々の一次ニューロンからの出力に対する重みづけの分布を対数正規分布とした。現在は出力に対する重みづけに対してSTDPを考慮するモデルを立て、現在はその数値解析を行なっている。

次年度の研究費の使用計画

神経モデルの実験面での検証をするため、ラット大脳皮質多点細胞外記録システムを構築する必要があるが、予備実験が予定より長引いたため、未だに購入に至っていない。
次年度にて上記システムの購入を勧める予定である。
次年度では、ラット大脳皮質多点細胞外記録システムに必要なアンプやラット脳固定装置、マルチチャンネル電極、matlabソフトウェアの購入を行なう予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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