研究課題
平成24年度までに、マイクロアレイ解析、in situ hybridization (ISH)、およびISHと逆行性神経トレーシングを組み合わせた二重染色などを用いたスクリーニングによって長連合ニューロンに発現する遺伝子を得て、それらの遺伝子の遺伝子座にEGFPあるはCreを導入した改変BACクローンを作製した。そこから、転写開始点上流10~20kb程度を含む領域をプラスミドに落として子宮内電気穿孔法により胎生15日目に大脳皮質に導入し、生後14~21日目に脳組織を摘出して、2/3層の長連合ニューロンの軸索及びその末端が標識できることを確認した。これを受けて平成25年度は、子宮内電気穿孔法を用いてこのコンストラクトを大脳皮質へ導入し、生後2日毎に大脳皮質を摘出し、軸索伸長の様子を生後21日のサンプルまで観察を行っている。その過程で、この長距離神経回路の軸索の全容を効率よく把握するには、従来のような多数の切片の観察と再構築ではなく、脳組織を丸ごとイメージングするような手法を採る必要に迫られた。そこで、近年発表されたCLARITYあるいはSeeDBという透明化の手法により、子宮内電気穿孔法で標識した脳組織を透明化する条件の検討を行った。どちらの手法でも導入したEGFPの蛍光を維持したまま脳組織を透明化することができたが、CLARITYは透明度は高いものの時間とコストがかかるのに対し、SeeDBは簡便かつ安価で、透明度はCLARITYにやや及ばないものの脳表面の大脳皮質を観察するには十分な透明度が得られることが分かった。そこで、現在はSeeDBを用いて透明化したサンプルを用いてイメージングを行い、長連合ニューロンの軸索伸長の様子を観察している。
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