現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までに、以下の項目について検討を行った。 まず培養細胞を用いてNgn2の下流因子のNgn2に対する反応性の違いを検討すると、Ngn2が発現し始めてからすぐに誘導されてくるものと、Ngn2を発現させた後しばらくたたないと発現が誘導されないものとがあることが分かり、下流因子によってその反応性には多様性があることが明らかとなった。 次に、マウス終脳の神経前駆細胞においてNgn2およびその下流因子の発現の可視化、定量化を行った。遺伝子の発現は転写活性レベルおよびタンパク発現レベルで、それぞれの因子の発現をモニターするルシフェラーゼを用いたレポーターを作成し、レポーターを神経前駆細胞に導入して測定を行った。マウス終脳の神経前駆細胞においてプロニューラル遺伝子Ngn2とその標的遺伝子であるDelta-like1, Tbr2, Neurod4, Neurod1, Neurod6の発現を転写レベルおよびタンパクレベルにおいて単一細胞レベルで可視化、定量をおこなった。これらの可視化によって、Ngn2の下流因子群の発現モードには多様性があること、転写レベルとタンパクレベルではその発現動態が異なることが明らかとされた。 さらに異なる波長の光を発するルシフェラーゼを2種類もちいたデュアルレポーターシステムを用いて、Ngn2と下流因子の同時モニターや同一因子の転写レベルとタンパクレベルの同時モニターを行った。これによって、Ngn2の発現と下流因子の発現モードの相関や、転写活性とタンパクレベルとの相関を調べた。
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