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2013 年度 実績報告書

凝集体非依存的なタウ神経毒性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24700368
研究機関同志社大学

研究代表者

謝 策  同志社大学, 生命医科学部, 特別研究員 (10598981)

キーワード認知症 / タウ / タウオパチー / 線虫
研究概要

超高齢化社会が現実化した現在、認知症発症機構の解明は急務といえる。アルツハイマー病をはじめとする多くの加齢に伴い発症する認知症では、変性神経細胞の中に微小管結合タンパク質タウの凝集と蓄積が観察される。これらの疾患はタウオパチーと総称される。その発症機構は不明であるが、生理的に発現するタンパク質であるタウの何らかの異常と深く関連すると考えられる。我々はモデル生物である線虫(C. elegans)の神経系にタウを発現させることによって、神経形態異常及び機能障害が出現したタウオパチー線虫モデルを樹立した。神経細胞に発現したタウは、微小管からの解離及び異常リン酸化など、病態脳に蓄積したタウとよく似た状態を呈する。この異常なタウと相互作用をするタンパク質は、タウオパチーの発症機構に深く関与すると考えられる。
本年度はタウとの相互作用する因子との結合条件の最適化、質量分析感度の向上、及び免疫共沈に用いる抗体の選択を行なった。さらに、電気泳動法と質量分析法を組み合わせた異常タウ結合因子の網羅的解析を試みた。その結果、アクトミオシン系のタンパク質のほか、リン酸化を含めた修飾にかかわる酵素及びシナプス局在分子など、新規のタウと相互作用しうるタンパク質を20種類同定した。タウはこれらの分子との間にネットワークを作り、タウオパチーを発症させる可能性が考えられる。さらに、新たに同定された相互作用分子の機能及びタウ毒性に対する作用を調べるため、数種の候補因子の遺伝子配列をもとに、RNAi発現ベクターを作製した。本研究により同定されたタウ結合候補タンパク質の中にタウの神経毒性発揮に関与する因子があると考えており、今後の研究によりさらなる絞り込みを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The homologous carboxyl-terminal domains of microtubule-associated protein 2 and TAU induce neuronal dysfunction and have differential fates in the evolution of neurofibrillary tangles.2014

    • 著者名/発表者名
      Xie C, Miyasaka T, Yoshimura S, Hatsuta H, Yoshina S, Kage-Nakadai E, Mitani S, Murayama S, Ihara Y.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9(2) ページ: e89796

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0089796

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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