研究課題
PiBを用いたアミロイドイメージ(PiB PET)検査を施行後、不慮の転帰を生じた症例の剖検について昨年まで検討を行い、明らかなPiB陽性例、明らかな陰性例に加えて、その移行症例について検討を行い、本年度にはその内容を英文論文にも報告を行ったが、本年度はその背景病理を探るべく、都市部在住在宅高齢者専門病院である当施設の凍結脳資源連続開頭剖検2000例をhttp://www.mci.gr.jp/brainbank/にも公表している高齢者ブレインバンクプロトコールに基づき検討を行った。2000例のアルツハイマー病の危険因子であるApoE遺伝子多型は、日本人コホートはほぼ同じ割合であり、高齢者コホートの代表と考えられる。ホルマリン固定パラフィン包埋切片に対する免疫染色や特殊染色を行うことで、老年性変化や血管障害性変化の網羅的検索を行った。アミロイドβ沈着の評価として、老人斑をBraakアミロイドステージ、またアルツハイマー病にいたる一連の経過を明らかにするためにBraak神経原線維変化(NFT)ステージを決定、それら2つのステージと年齢とを三次元的に解析、またApoE遺伝子多型による分類による変化も確認した。加齢に伴い、アミロイドβの沈着が先行、その後NFTが増えアルツハイマー病に進行する所謂「アミロイドカスケード仮説」に沿う群と、アミロイドβの沈着はほとんど伴わずにNFTのステージのみが進行しする群(最終形態はNFT優位型認知症)の大きく2つに分かれることを明らかにした。またApoE遺伝子多型別の検討では、ApoE4のヘテロ、ホモになるにつれ、前者の群が低年齢から認められ、ピークが約10年ずつ早くずれることを示した。
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