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2013 年度 実績報告書

ピレスロイド系殺虫剤成分デルタメトリンをリード化合物とした新規抗うつ薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24700376
研究機関富山大学

研究代表者

高崎 一朗  富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (00397176)

キーワードデルタメトリン / 抗うつ薬 / 脳由来神経栄養因子
研究概要

前年度までの研究において,マウス強制水泳試験を用いた検討により,デルタメトリンが投与後投与後12時間において抗うつ様作用を有していることを明らかにした。また,脳海馬におけるBDNF mRNAの発現をリアルタイムRT-PCR法により解析したところ,投与後12時間後において有意に増大した。またin situ hybridizationによる検討からも,BDNF mRNAが海馬歯状回,CA1,CA3の領域において強く発現上昇していることも確認できた。以上のことから,デルタメトリンが抗うつ様作用を有し,その効果には海馬におけるBDNF遺伝子発現上昇が関与していることが示唆された。
本年度は,デルタメトリンの投与により脳で発現が増大したBDNFが抗うつ様作用に直接関与しているかどうかを検討する目的で,trkチロシンキナーゼ阻害薬であるK252aの効果を検討した。K252a(1 nmol/mouse)および溶媒(0.1% DMSO)は,強制水泳試験の30分前に,側脳室内に投与した。溶媒投与群においては,デルタメトリンの投与12時間後において,有意な無動時間の短縮,すなわち抗うつ様作用が見られたが,K252a投与群では無動時間の短縮が見られなかった。以上の結果は,デルタメトリンの投与により産生されたBDNFが,脳(おそらく海馬)のtrkB受容体を介して抗うつ様効果を発揮していることを示唆するものである。
本研究の成果は,Behav Brain Res. 257:182-8 (2013)に報告した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Type II pyrethroid deltamethrin produces antidepressant-like effects in mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Takasaki I, Oose K, Otaki Y, Ihara D, Fukuchi M, Tabuchi A, Tsuneki H, Tabuchi Y, Kondo T, Saitoh A, Yamada M, Tsuda M.
    • 雑誌名

      Behav Brain Res.

      巻: 257 ページ: 182-188

    • DOI

      10.1016/j.bbr.2013.09.044.

    • 査読あり
  • [学会発表] 2型ピレスロイド系殺虫剤デルタメトリンのマウス海馬BDNF 発現に与える影響と抗うつ様効果についての解析2013

    • 著者名/発表者名
      大瀧雄基,高崎一朗,伊原大輔,福地 守,田渕明子,津田正明
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20131203-20131205

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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