研究課題/領域番号 |
24700379
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柴田 理志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00423153)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | シュワン細胞 / RhoA |
研究概要 |
Semaphorin-4DがARHGEF10の活性にどの様に作用しているかを知るためにまずARHGEF10の機能を知る必要がある。そこで、ARHGEF10に対する特異的抗体を作成し、この抗体を用いたARHGEF10の機能解析を行った。その結果、ARHGEF10の細胞内局在や機能の解明がかなり進んだ。ARHGEF10の機能が分かりつつあることで本申請研究の課題であるSemaphorin-4D /ARHGEF10経路の理解が深まると考えられる。 またARHGEF10の相互作用因子の探索を計画していたが、現在、細胞抽出液からGST-ARHGEF10を用いた引き落としによりARHGEF10相互作用因子の候補が数種類得られており、質量分析法によりこれらの因子を同定中である。さらに今後はイーストツーハイブリッド法によりARHGEF10のシュワン細胞cDNAライブラリーからの同定も行う。これらの結果によりARHGEF10がシュワン細胞の細胞機能にどのように関わっているかの理解が進む。 Semaphorin-4Dノックアウトマウスの坐骨神経ミエリン化の解析については現在電子顕微鏡による観察を進行中である。今後、初代培養シュワン細胞を用いてSemaphorin-4D /ARHGEF10の解析を順次進めていく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ARHGEF10の機能に関してはこれまでほとんど明らかとなっていないが、今回、ARHGEF10の機能解析を行った結果、ARHGEF10の機能に対する理解がかなり進んだ。これらの情報がない限り、今後計画している研究を遂行することは困難であり非常に有意義なデータを得たと考えている。またノックアウトマウスの解析については比較的時間がかかるものと考えているので時間経過と研究の進行具合は凡そ妥当であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ARHGEF10の相互作用因子の決定を行う。Semaphorin-4Dノックアウトマウスの解析により得られたデータをもとにして、初代培養シュワン細胞を用いた実験によりSemaphorin-4DやARHGEF10及びその相互作用因子がシュワン細胞の細胞機能にいかに関与しているかを明らかにし、Semaphorin-4D /ARHGEF10経路のシュワン細胞ミエリン化における役割を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は現在ある試薬でほとんど研究を遂行することができた。しかし次年度ははイーストツーハイブリッド法、初代培養シュワン細胞の培養メディウムやインフェクション試薬の購入などで研究費を要すると考えられる。さらにこれらの実験に伴い抗体購入費やその他の消耗品なども必要になってくると考えられる。
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