• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

抗体提示型ウイルスベクターを用いた平行線維・登上線維選択的遺伝子導入法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24700394
研究種目

若手研究(B)

研究機関群馬大学

研究代表者

今野 歩  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40509048)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード小脳 / ウイルスベクター
研究概要

1.抗体提示型レンチウイルスベクターの最適化
通常のレンチウイルスベクターにおいて、エンベロープタンパク質として用いるVSV-Gのプラスミドを、ProteinAの抗体結合ドメインをエンベロープとして持つプラスミドに変え、抗体提示型レンチウイルスベクターの作成した。超遠心による培地上清からの回収後、PBSに懸濁して実際にマウスの小脳へ感染を行ったところ、抗体を結合させていない場合の非特異的な感染がほとんどなくなっていた。研究計画では、「E2タンパク質のウイルス表面に出ている部分を段階的に欠損させることにより、非特異的な感染性を除去する。」としていたが、これまで設備的な事情により実施不能だった超遠心による精製を加えることにより、非特異的な感染を十分に除去することができた。今後、24年度に購入した液体クロマトグラフィーを利用した精製を加えることにより、さらなる感染の効率化を目指す予定である。
2.抗体の作成
VGluT1とVGluT2のルーメン側の抗体を受託合成により行った。それぞれRGGHVVVQKAQFN (VGluT1)、RGGKVIKEKAKFN(VGluT2)をペプチド抗原とした。抗体価は順調に上昇し、予定通りの納期で抗体が完成した。作成した抗体を用いて、マウス小脳に対する免疫組織染色を行った。ポジティブコントロールとして、市販されている抗体(ルーメン側に結合する抗体ではないため、抗体を介した感染に用いることが不可能)との共局在性が期待したものとは、異なっていた。今後、抗原として用いたペプチドのアフィニティカラムを用いた精製を行い、本手法への適応を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

液体クロマトグラフィーの納入が予定よりも遅くなり、抗体提示型ウイルスベクターの精製法を検討することができなかった。しかしながら、簡便な精製方法のみで、予想していたよりも非特異的な感染が低く抑えられたことから、非特異的な感染の除去に関しては順調に研究が進んでいる。また、抗体に関しては作成は完了したが、本手法に適応するための精製ができていない状況である。

今後の研究の推進方策

液体クロマトグラフィーを用いたウイルスベクターの精製法を確立する。必要な物品は購入済であり、今後条件検討などを行っていく。具体的には、HiTrapQ HPもしくはHiPrep Q FFを用いた陰イオン交換クロマトグラフィーによる精製を予定している。
平行してウイルスベクターへ結合させるVGLUT1およびVGluT2抗体の精製も行う。抗原として用いたそれぞれのペプチドによるアフィニティー精製を介して、それぞれに対して特異的に吸着する抗体のみを調製する。
さらに精製した抗体を提示させたウイルスベクターを小脳へ感染させることにより、平行線維(顆粒細胞)あるいは登上線維(下オリーブ核ニューロン)への選択的な遺伝子導入を確認する。

次年度の研究費の使用計画

主に消耗品を購入するために使用する。また、成果報告のための旅費にも利用する予定である。設備品の購入の予定はない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] DISRUPTION OF METABOTROPIC GLUTAMATE RECEPTOR SIGNALING AND RESCUE THROUGH INTRAVASCULAR ADMINISTRATION OF AAV9 IN A MOUSE MODEL OF SPINOCEREBELLAR ATAXIA TYPE 32013

    • 著者名/発表者名
      今野 歩,Anton N Shuvaev,三宅 紀子,三宅 弘一,柳 茂,島田 隆,平井 宏和
    • 学会等名
      第19回遺伝子治療学会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      20130704-20130706
  • [学会発表] Gene therapy for spinocerebellar ataxia type-3 using trans-blood-brain barrier gene delivery by AAV9

    • 著者名/発表者名
      今野 歩,Anton N Shuvaev,三宅 紀子,三宅 弘一,柳 茂,島田 隆,平井 宏和
    • 学会等名
      第35回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場・愛知県名古屋市
  • [学会発表] Deficient metabotropic glutamate receptor signaling and rescue through intravascular administration of AAV9 in a mouse model of spinocerebellar ataxia type 3

    • 著者名/発表者名
      今野 歩,Anton N Shuvaev,三宅 紀子,三宅 弘一,柳 茂,島田 隆,平井 宏和
    • 学会等名
      Neuro2013(第36回日本神経科学大会、第56回日本神経化学会大会、 第23回日本神経回路学会大会)
    • 発表場所
      国立京都国際会館

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi