研究課題/領域番号 |
24700394
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
今野 歩 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40509048)
|
キーワード | ウイルスベクター / 小脳 / 抗体 |
研究概要 |
【抗体提示型レンチウイルスベクターの最適化】 この研究項目に対しては前年度までにある程度進捗しており、さらに液体クロマトグラフィーを用いた精製法を確立することが本年度の課題であった。これに関しては、陰イオンクロマトグラフィーカラムHiTrapQ HPを使用することにより、精製可能であったため、容易に実現できた。具体的な方法は以下の通りである。「①HEK293細胞に4種類のプラスミドをco-transfection②翌日、IgG-FreeのFBSを含む培地に培地交換③3日後に培地上清に出てくる抗体提示型ウイルスベクターを超遠心により回収④ウイルスベクターをPBSに懸濁⑤AKTA Primeに取り付けた、HiTrapQ HPカラムにアプライ⑥NaClによるグラジエント溶出により、一本のピークとして、ウイルス画分を得た」 【抗体の作成】 抗体の作成に関しては、前年度に完了している。しかしながら、マウス小脳スライスに対して、作成した抗体を用いた免疫組織染色をしたところ、あまり良好な染色結果が得られなかった。このため、精製が必要であると思われるが、Affinity精製をするための適切なペプチド固定化カラムが販売しておらず、抗体の精製に関しては進捗がみられていない。未精製であっても、感染が成立する可能性はあるので、まずはこれで感染実験を行うこととした。 【実際のマウスでの感染実験】 本年度の後半からマウスへの感染実験を行う予定であったが、ウイルスベクターの投与までは行ったが、感染結果の確認までは現在までのところ至っていない。今後、検討していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要に示したとおり、抗体の精製・マウスでの感染実験において、研究の進捗が遅れている。理由としては、平行して研究を進めていた「ウイルスベクターによる脊髄小脳変性症の遺伝子治療の研究」の方が順調に進捗していたため、そちらエフォートの多くを費やしていた。特に、本年度は論文を提出し、その改訂の対応にも追われていたことも大きな理由である。しかし、本論文は受理され、国際誌に掲載済「Konno A et al., Mutant Ataxin-3 with an Abnormally Expanded Polyglutamine Chain Disrupts Dendritic Development and Metabotropic Glutamate Receptor Signaling in Mouse Cerebellar Purkinje Cells. The Cerebellum 2014 Feb;13(1):29-41.」である。
|
今後の研究の推進方策 |
マウスへの感染実験を特に重点的に実施する。感染実験を行ったマウスに対しては、小脳スライスを作成し、免疫組織染色を行うことにより、特異的な遺伝子導入が起きているかどうかの確認を行う。 一方で、平行して行っていたアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた研究が、多方面に進捗しつつあるので、AAVを用いた顆粒細胞特異的な遺伝子導入法も、場合に応じて検討していく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
消耗品費の利用額の誤差の範囲と考えられる。 主に消耗品と学会参加のための旅費に使用する。
|