本研究ではコモンマーモセットを神経科学の実験に利用するために、マーモセットの基本認知機能を明らかとするための行動測定実験を行った。ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類を含む多くの動物に共通する生理的な欲求(空腹)が、動物の意志決定をどの様に変えるのかを測定した。その結果、コモンマーモセットはお腹が空いている時には、好きな餌を好んで食べたが、ある程度餌を食べて満足している時には適当にそれほど好きでない餌でも食べることが明らかとなった。更に、空腹の程度によらず好きな餌の好みは同じ傾向にあった。空腹の度合いが認知機能に与える影響を定量的に評価することで、欲求が意志決定を調節する機能の一旦を明らかとした。
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