研究課題
本研究は、人工ヌクレアーゼTranscription Activator-Like Effector Nucleases(TALENs)を用いた新規かつ効率的な遺伝子改変ラット作製法の確立を目指すものである。本年度は、アミノ酸配列を改変した改良型TALENs(Platinum TALENs)をラット胚に導入することで遺伝子改変ラットの作製効率について検討した。具体的には、X連鎖重症複合免疫不全症(X-SCID)の原因遺伝子であるインターロイキン2受容体γ鎖(Il2rg)遺伝子を標的遺伝子としたPlatinum TALENsプラスミドを作製した。このプラスミドから人工的にmRNAを合成し、F344系統の前核期胚に導入した。その後、胚移植により得られた産子の遺伝子変異効率を算出した。移植した胚の30%が産子にまで発生し、全ての産子に遺伝子変異が認められた。これまでのTALENsでは、得られた産子の25%に遺伝子変異が認められたことから、Platinum TALENsを用いることで遺伝子改変ラットの作出効率が有意に向上した。昨年度は、メラニン合成に関与するチロシナーゼ遺伝子を標的遺伝子としたDA系統の遺伝子改変ラットの作製に成功した。このことから、本研究において、TALENsはラットにおける効率的な遺伝子改変系統作製が可能であり、系統や標的遺伝子の選択を自由に行うことができる実用的な方法として利用できることが明らかとなった。
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