マーモセット卵巣組織から未成長卵子を分離し,in vitro遺伝子導入卵子の作出が可能か検討するとともに,卵巣組織のガラス化保存の検討を行った.卵巣解離細胞の体外培養において最大で 3週間の生存が認められた.その間,レンチウィルスベクターによる遺伝子導入によりGFP蛍光を示す未成長卵子が観察された.卵巣組織凍結保存においては,融解後は凍結前の形態を保持し,卵子の生存性も認められた.コメットアッセイならびに組織学的検査においては有意差は認められなかった.電顕観察においては,初期卵胞において非凍結組織の卵胞卵子に匹敵する像が観察された.本研究は非ヒト霊長類の新しい発生工学の展開の可能性を示した.
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