本研究の目的は、PET検査による様々な脳機能(血流、糖代謝、受容体結合能など)をこれまでになく高精度に定量画像化することである。この高精度化のために、形態・解剖情報を用いる脳機能の新しい推定法に、部分容積効果補正法、ノイズ除去法を併用することで、PET脳機能画像の空間分解能、信号対雑音比と定量性を向上させる画像解析システムの開発に取り組むことである。
最終年度である平成26年度は、前年度までに開発した手法をもとに、更にノイズにロバストな手法となるようアルゴリズムの改良・最適化を行った後に、解析プログラムにグラフィカルユーザーインターフェースを加え画像処理ソフトとして使いやすさを追求した。
より具体的には、脳デジタルファントムにて臨床検査上で想定される様々な誤差(生理的な要因、画像処理の誤差)の影響を調べ、改良・最適化を行なった。このような最適化を行ったアルゴリズムに対して、臨床PETデータへの適応を行い、健常者・患者において定量性の改善度の評価・および診断能が向上するかの検討を行った。この研究成果については、一部、国内学会にて報告を行い、論文発表については現在を作業を進めているところである。また、前年度に配布を開始した一連の画像処理ソフトウェアについては、実際にホームページからダウンロードし使用した国内外のユーザーからの要望などに、個別に対応しつつ1月に最新のものにバージョンアップを行った。
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