アクチンダイナミクスの動的再構築に関する数値解析と,細胞運動における突出端形成の定量的計測を融合させることにより,細胞運動における突出形成メカニズム解明を目指した.数値解析の結果,細胞内の多彩なアクチン構造形成には,アクチン濃度,および重合核形成に関する反応速度が関わることが示唆された.また,光応答性細胞培養基板を用い細胞を非対称に形状制御し,引き続き細胞運動を誘起した結果,細胞運動の開始には形状極性が重要であり,かつ核―中心体ベクトルがそれに影響を及ぼすことがわかった.また,細胞内の焦点接着斑とストレスファイバの時空間形成ダイナミクスが,運動の方向性を決定する一つの要因であることが示された.
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