本研究の目的は,整形外科人工関節手術計画における統計アトラスを用いた関節部応力状態の高速予測である.本研究では,多様な骨とインプラントの位置において商用ソルバによる応力解析を行い,その結果を学習データセットとして応力状態予測アトラスを構築した.20例を学習データセットとした実験の結果,予測値の平均誤差は正解値の20%未満となったことから,有効性を確認できた.また,他の評価基準とのバランス調整を行う手術計画アトラスも構築した.45例での実験の結果,1つ以上の評価値で整形外科医基準の四分位範囲の1.5倍による外れ値を取った計画数は,最適化前16例に対し,最適化後2例となり,充分な性能を確認できた.
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