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2013 年度 実績報告書

SPIOの細胞表面への導入技術を基盤としたMRIによる移植細胞の直接観測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24700453
研究機関京都大学

研究代表者

北村 成史  京都大学, 再生医科学研究所, 研究員 (50624912)

キーワード膵島 / DNA / SPIO / MRI
研究概要

[前年度の課題] 前年度までに、DNAハイブリダイゼーションを利用した技術によって膵島をSPIO標識できることがわかった。また、TEM観察から、細胞膜に固定化されたSPIOがその後エンドソーム内に取り込まれること、得られたSPIO標識膵島はMRIのT2強調撮像法において、黒影として確認できるなどの知見を得た。しかし、前年度の手法ではSPIOの導入量が試行ごとに安定せず、さらにMRIファントム画像において個々の膵島を識別するほどのコントラストは得られないという問題点が残っていた。
[最終年度の研究と成果] そこで、最終年度は膵島へのSPIOの導入量を安定的に高める手法の開発に取り組んだ。具体的には、膵島を一度トリプシン処理によって単個細胞にまで分解し、同様にSPIO標識を行ってから再凝集させることで、膵島1個あたりのSPIOの導入量を増加させる手法を開発した。また、遠心分離を利用することで、9割以上の収率で安定して凝集体を作製可能となった。得られた再凝集体は、前年度の手法に比べて、MRIファントム画像において高い画像コントラストで検出できた。さらにTEM観察と実体顕微鏡観察、MRIファントム撮像を組み合わせて長期観察を行うことで、SPIOが細胞のエンドソーム内に1週間以上保持され、MRIでのコントラストが維持されることが確認できた。また、標識前、標識後、標識から1週間後での膵島の機能をグルコース応答試験で確認したところ、SPIO標識が膵島機能に及ぼす影響は軽微であることが確認できた。
本研究の成果は、膵島移植手術において、移植膵島の生着状況をMRIでリアルタイムに観察するために、DNAハイブリダイゼーションと再凝集技術によって安定的に膵島をSPIOで標識する手法を開発した点で、医療分野において有用である。また、本手法は膵島のみならず、様々な細胞種にも応用可能であると予想され、種々の細胞移植とMRI観察を組み合わせた研究へと応用可能であると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Labeling of islet cells with iron oxide nanoparticles through DNA2013

    • 著者名/発表者名
      Narufumi Kitamura, Ryusuke Nakai , Haruyasu Kohda, Keiko Furuta-Okamoto, Hiroo Iwata
    • 雑誌名

      Bioorganic & Medicinal Chemistry

      巻: 21 ページ: 7175-7181

    • DOI

      10.1016/j.bmc.2013.08.063

    • 査読あり
  • [学会発表] 膵島細胞と血管内皮細胞の共凝集塊の形成と塊内の細胞配置2013

    • 著者名/発表者名
      北村 成史、岩田博夫
    • 学会等名
      第62会高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都市左京区)
    • 年月日
      20130529-20130531

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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