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2013 年度 実績報告書

平滑筋細胞分化過程におけるアクチン繊維構造体の物理特性解析

研究課題

研究課題/領域番号 24700454
研究機関北九州市立大学

研究代表者

木原 隆典  北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (90436535)

キーワード平滑筋細胞 / CRP2 / アクチン繊維 / 共焦点顕微鏡 / 繊維の物性 / 脱重合
研究概要

アクチン繊維は細胞内において細胞の物理的・生物学的制御因子として重要な役割を担っている。本研究は、平滑筋細胞の分化過程におけるアクチン繊維の物理環境を明らかにすると共に、この物理環境が平滑筋細胞の分化制御にどのように作用するか検討することを目的とした。特にアクチン繊維に結合する平滑筋細胞転写因子CRP2が平滑筋細胞内の物理環境形成にどのように寄与するかについて明らかにすることを目的とした。
今年度はリコンビナントで作成したCRP2タンパク質がアクチン繊維の物性にどのような影響を及ぼすのかについて検討を行った。CRP2と反応させたアクチン繊維を共焦点顕微鏡によって観察し、その持続長を計測した。アクチン繊維の持続長はCRP2が結合することで上昇することが見出された。さらにCRP2が結合することでアクチン繊維形成による溶液の粘性が上昇するか検討したが、明確な変化は見られなかった。このことから、CRP2はアクチン繊維の物性は変化させるが、繊維の枝分かれといったマクロの構造には大きく作用しないと考えられた。そこで、CRP2が結合することでアクチン繊維のダイナミクスは変化するか検討したところ、CRP2が結合することでアクチン繊維の脱重合が生じにくくなることが明らかとなった。
研究期間全体では、溶液中におけるCRP2の構造を決定し、さらにCRP2がアクチン繊維に結合することでアクチン繊維の繊維径を増大させることを明らかにした。繊維径が増大したアクチン繊維は持続長が長くなっており、さらに繊維の脱重合も抑制されていた。こうしたアクチン繊維に対するCRP2の物理的・化学的作用により、CRP2を発現した平滑筋細胞の機械特性が上昇したものと考えられる。以上本研究によって、CRP2が平滑筋細胞の物理環境を制御することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Measurement of biomolecular diffusion in extracellular matrix condensed by fibroblasts using fluorescence correlation spectroscopy2013

    • 著者名/発表者名
      Kihara, T., Ito, J., Miyake, J.
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 8(11) ページ: e82382

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0082382

    • 査読あり
  • [学会発表] Smooth muscle differentiation related transcription factor CRP2 directly regulates of actin filaments dynamics2013

    • 著者名/発表者名
      Kihara T., Shinohara S., Shinohara S., Sugimoto Y., Miyake, J.
    • 学会等名
      第51回日本生物物理学会年会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20131028-30
  • [学会発表] 細胞骨格リモデリング過程における細胞の力学解析2013

    • 著者名/発表者名
      吉田拓士, 木原隆典, Haghparast SMA, 三宅淳
    • 学会等名
      第65回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20130918-20130920
  • [学会発表] Elastic and cytoskeletal phenotype of floating cancer cells2013

    • 著者名/発表者名
      Haghparast, S.M.A., Kihara, T., Yoshida, T., Miyake, J.
    • 学会等名
      第65回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20130918-20130920
  • [学会発表] 細胞内外における分子拡散解析2013

    • 著者名/発表者名
      伊東潤里,木原隆典,山崎淳平,三宅淳
    • 学会等名
      第65回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20130918-20
  • [学会発表] Mechanostructural features of cervical cancer cells in adhesion states2013

    • 著者名/発表者名
      Haghparast, S.M.A., Kihara, T., Shimizu, Y., Miyake, J.
    • 学会等名
      The 69th Annual Meeting of the Japanese Society of Microscopy
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130521-20130521

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公開日: 2015-05-28  

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