• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

光触媒と超音波を用いた異物に起因する感染症の撲滅

研究課題

研究課題/領域番号 24700460
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

吉田 隆司  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10546641)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード細菌感染 / 光触媒 / 超音波
研究概要

医療の進歩によりインプラントなどの人工物・内固定材料の進歩はめざましく,外傷後の機能障害に対する早期の社会復帰や,高齢者の機能回復に大きな恩恵をもたらしている.一方,人工物挿入術後は,細菌感染の危険性が高く,その治療は抗菌薬の投与による医療費の増大だけでなく,耐性菌の出現など治療に難渋することが少なくない.感染症の治療は現在のところ初期治療として抗生物質などの薬剤を用いるのが一般的である.しかし,これまでの感染症治療研究の方向性としては,薬剤を効率的に局所に届けるか,さらに強力な薬剤の開発に重点が置かれてきた.MRSAをはじめとする多剤耐性菌が問題となっているものの未だ革新的な治療法や予防法はない.薬剤による治療アプローチはより強い耐性菌の発生を誘導するため限界が来ると考えられ,感染予防効果を持つ医療材料の作成は急務である.現在までに異物に起因した感染症に関する研究では金属に抗生物質を担持させる試みがなされているが,耐性菌の発生や全身性の副作用の問題が払拭できない.
骨折治療としての経皮鋼線固定や創外固定術では,体表面に露出した金属刺入部の感染率が高いが,われわれは骨折治療に用いる鋼線を光触媒処理し,紫外線照射による感染予防効果を確認し,すでに臨床応用している.しかし,生体内人工物には紫外線が到達しない.近年光触媒の励起に超音波を用い分解反応を確認した報告が注目されている.侵入できる超音波を行いて光触媒を励起させ,殺菌やバイオフィルムの分解を行う手法を考案し,これを早期の感染症対策に応用することを目的とした.
平成24年度は,光触媒処置を行った酸化チタンプレートと純チタンプレートを用いて,超音波刺激による殺菌効果や,バイオフィルムの分解効果等を検証し,至適な超音波刺激強度や時間,および本実験系を確立することを予定し,現在も進行中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験実施者と実験指導者の臨床業務により実験開始が遅れた.実験用プレート,超音波実験装置,および細菌培養系の確立に時間がかかっている.

今後の研究の推進方策

培養系での実験を進め,酸化チタン光触媒プレートに対する超音波刺激下の殺菌効果を実証する.培養系での実験終了後,動物モデルでの実験を開始する予定である.

次年度の研究費の使用計画

培養系実験に必要な試薬,培養液,実験用プレート,動物実験系に必要なラット,ウサギ,実験用プレート等の購入に使用する.また,実験結果を発表する際の移動に必要な旅費や論文作成時の英文校正費等にも使用する予定である.

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi