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2012 年度 実施状況報告書

人工関節を用いて肩関節の力を計測する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24700461
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

比嘉 昌  兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90375197)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード国際研究者交流 / バイオメカニクス / 肩関節
研究概要

本研究の目的は、Reverse Total Shoulder Arthroplasty(RTSA)使用時における肩関節反力(関節しゅう動面にかかる力)を手術中に計測することであった。この研究の大きな意義は以下の4点である。
(1)RTSA 初の関節反力データであること。歴史の浅いRTSA に関しては関節反力計測の報告は無い。(2)手術中の計測であること。手術中計測であることの利点は、自発運動に影響されず客観的な関節の状態を評価可能であること、体内に何も残さないためリスクが少ないこと、術者がこのデータを手術中に知りうること等があげられる。特に最後の次項の意義は大きく、術者に対し手術中に適切なインプラントサイズ選択を可能とする。これは関節外科医の大きな要求の一つである。(3)日本では認可取得前インプラントに関するデータであること。臨床成績が良好であることが欧米で証明されているインプラントの力学的知見は、今後我が国で臨床認可を取得するための有用データとして期待される。申請者個人的見解ではあるが我が国でもRTSA は導入すべきである。(4)測定結果と理論計算との比較を行う点。測定と平行して、3 次元筋骨格コンピュータモデルを用いて関節反力の理論計算を行う。これは計測結果の実証の目的がある。以前股関節にて同様の計測/理論計算を行った経験上、測定結果と理論計算結果は必ずしも同じにならないが、ある程度の一致が求められる。
これらの目標を掲げた中で、1年目には、デバイスの作製、死体での実験を主な予定としていたが、概ね予定通り手術中の計測までにしておくべき事は終了した。ほぼ当初の予定通りである。現在測定後のインプラントのキャリブレーションと計測数の増加を行っている。次年度は当初の予定通り、実測を続けることと、コンピュータシミュレーションにより肩関節の力を計算により求める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

改めて、平成24年度に予定していた項目を上げると、(1)測定デバイスの作製、(2)死体を用いた埋め込み実験であった。当初の申請書には「(3)日本国内IRBの申請」としていたが、未だに国内でRTSAの臨床認可の見通しがはっきりしていないため(本研究の範囲外)この項目については見送った。(1)、(2)に関しては、既に完了したと言える。死体を用いた埋め込み実験はフロリダ大学Orthopaedics and Sports Medicine Instituteにて行われ、当初から予定されていた研究体制のメンバーである、フロリダ大学工学部 Dr. Scott A banks、フロリダ大学医学部 Dr. Thomas Wright、Exactech Inc, Senior Product Development Engineer Mr. Christopher Rocheらの協力により達成された。さらにUF Orthopaedics and Sports Medicine Institute, Dr. Kevin Farmer, Clinical Research Coordinator, Aimee Struk, フロリダ大学工学部の学生数名にも協力いただいた。デバイスの作製に関しては、完成したが多少のマイナーチェンジが必要な可能性がある。その一つとして、現在デバイスの精度を計測しているが、精度があまり良くないためもう少し精度良く(設計図通りに)製作する必要がある可能性がある。これから大きな変更は行わないが、精度向上、若干のサイズ変更(患者に合わせた)は行っていく可能性がある。しかし、概ね実際の手術にも使える装置の作製は完成した。

今後の研究の推進方策

申請時の予定通りである、手術中の実測を進めていく。しかし日本国内においては未だに厚生労働省の認可取得が完了していないため実測は行わない(行えない)。そこで、計測はフロリダ大学のみにて行い、ある程度多くのの実測値が欲しいため、totalで20人を予定している。既に患者へのinformed consent は進めている。さらにもう一つの予定された項目である、「筋骨格コンピュータモデルを用いた股関節反力理論計算」も進めていく。これには、実測装置の妥当性評価の目的があるため、なるべく実測と平行して行う予定である。現在ワークステーションは購入済みのため、必要なソフトをそろえれば開始可能である。

次年度の研究費の使用計画

主な使用予定のひとつに、日本ーフロリダ大学間の旅費がある。一度の出張時になるべく多くの計測を行う予定であるが、一度の出張では全ての計測は終了しないため、数回の主張を予定している。
シミュレーション用のソフト購入も予定しているが、それ程大きな金額にはならない見込みである。そのため旅費が次年度の一番大きな出費となる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] An instrumented trial prosthesis for intraoperative joint force measurements during reverse total shoulder arthroplasty2013

    • 著者名/発表者名
      Masaru Higa; Aimee Struk; Chris Roche; Kevin Farmer; Thomas Wright; Scott A Bank
    • 学会等名
      Orthopaedic Research Society
    • 発表場所
      San Antonio, USA
    • 年月日
      20130126-20130129
  • [学会発表] Measurements of passive resisting moment of the hip in younger and elder subjects2012

    • 著者名/発表者名
      Masaru Higa, kazumasa Matsuda, Masayoshi Abo, Satoshi Kakunai
    • 学会等名
      51th Annual Conference of Japanese Society for Medical and Biological Engineering
    • 発表場所
      Fukuoka, Japan
    • 年月日
      20120510-20120512

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公開日: 2014-07-24  

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