研究課題/領域番号 |
24700474
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西村 健 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80500610)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 持続発現型RNAベクター / 分化 / 安全性 |
研究概要 |
マウスiPS細胞のin vitroでの神経分化を試みた。マウスiPS細胞やES細胞から胚葉体を形成させ、ゼラチンコート上でレチノイン酸によって神経細胞への分化を誘導した。その結果、胚葉体形成から2週間ほどすると、Tuji1陽性の神経細胞様の細胞が観察されるようになったことから、このような系を用いて、マウスiPS細胞から神経細胞の誘導を行うことが出来ることを明らかにした。 次に、ブラストサイジン耐性遺伝子とP450遺伝子を同時に発現する、positive-negative選択細胞質持続発現型RNAベクターを感染させたマウスiPS細胞を、上記と同様な方法で神経細胞に分化させた。その結果、ベクター非感染の時と同様に神経細胞様の細胞が観察され、誘導効率にも顕著な差は確認されなかった。よって、我々のベクターは、多能性幹細胞の神経分化を阻害しないことを明らかにした。 上記実験と並行して、ブラストサイジン耐性遺伝子とP450遺伝子を同時に発現するpositive-negative選択細胞質持続発現型RNAベクターに自動除去配列を追加して、新たなベクターの構築を試みた。自動除去のための配列としては、神経細胞特異的なmiR124の標的配列を4つ連続させた配列を用い、それをベクターのL遺伝子の3'UTRに挿入した。作製したベクターcDNAから組換えベクターの回収を試みたところ、実験に用いることができる十分な力価を有したベクターの回収に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経分化以外の分化系を習得するために、昨年7月、8月の二ヶ月間、イギリスのエディンバラ大学に短期留学し、その間、研究をストップせざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、自動除去ベクターを持続感染させたマウスiPS細胞を神経分化させ、得られた神経細胞からベクターが自動除去されているか、確認を行っている。 また、神経分化以外の系についても、分化系を立ち上げ、上記と同様な研究を行い、様々な系で実用性を証明したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、細胞培養、分化誘導に用いる試薬の購入に用いる予定。 また、得られた分化細胞の性質検討のために、抗体等の試薬の購入にも用いる予定。
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