研究課題/領域番号 |
24700493
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
島田 博文 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10414575)
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キーワード | 重粒子線治療 / 光線力学的療法 / イオンビーム / 活性酸素 |
研究概要 |
平成25年度については,研究を遂行できなかったため,平成26年度へ期間延長とした. そのため,今後の研究の展開に関する計画を記載する. 粒子線の線量及びPDT用薬剤濃度を変化させ,薬剤濃度及び照射線量と活性酸素種の発生量の相関関係を明らかにし,腫瘍組織に有効である活性酸素種が最も効率良く発生する条件を探索する。照射線量及び薬剤濃度は実際の治療時よりも低線量・低濃度で実験を行い,活性酸素種の発生量を系統的に評価する。 PDT用薬剤の放射線分解生成物の分析実験は,治療線量相当の各種放射線をそれぞれ照射後,高速液体クロマトグラフィーを用いて行い,分解生成物の同定及び毒性試験を行う。 また,腫瘍細胞への粒子線照射実験は,PDTが有効とされている扁平上皮がんを用いて行う。肺の扁平上皮がん細胞を培養し,細胞数,PDT用薬剤濃度,照射線量,線質を変化させ,粒子線照射後にコロニーアッセイ法などの致死効果判定を行い,より致死効果の大きい条件の探索を行う。肺の扁平上皮がんの細胞実験の結果に基づき,他の腫瘍細胞による同様な実験を行い,本方法が適した腫瘍の探索を行う。粒子線治療及び光線力学的療法よりもさらに低侵襲性な治療システムが構築可能であるかどうか検討を行う。 最後に,粒子線照射線量とPDT用薬剤濃度に対する活性酸素種の発生量,また,腫瘍培養細胞の致死効果判定の結果に基づき,実際の治療にどれだけ有効であるかを検討し,動物実験及び臨床試験の指針とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度は,臨床業務(重粒子線治療業務(維持,管理,開発))のエフォートが予定外に著しく高くなり,研究課題を遂行するための時間を確保することが困難であった.したがって,本研究課題のエフォートを下げざるを得なかった.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に実施予定であった計画を,本年度に実施する予定である. 具体的には,粒子線の線量及びPDT用薬剤濃度を変化させ,薬剤濃度及び照射線量と活性酸素種の発生量の相関関係を明らかにし,腫瘍組織に有効である活性酸素種が最も効率良く発生する条件を探索する。照射線量及び薬剤濃度は実際の治療時よりも低線量・低濃度で実験を行い,活性酸素種の発生量を系統的に評価する。 PDT用薬剤の放射線分解生成物の分析実験は,治療線量相当の各種放射線をそれぞれ照射後,高速液体クロマトグラフィーを用いて行い,分解生成物の同定及び毒性試験を行う。 また,腫瘍細胞への粒子線照射実験は,PDTが有効とされている扁平上皮がんを用いて行う。肺の扁平上皮がん細胞を培養し,細胞数,PDT用薬剤濃度,照射線量,線質を変化させ,粒子線照射後にコロニーアッセイ法などの致死効果判定を行い,より致死効果の大きい条件の探索を行う。肺の扁平上皮がんの細胞実験の結果に基づき,他の腫瘍細胞による同様な実験を行い,本方法が適した腫瘍の探索を行う。粒子線治療及び光線力学的療法よりもさらに低侵襲性な治療システムが構築可能であるかどうか検討を行う。 最後に,粒子線照射線量とPDT用薬剤濃度に対する活性酸素種の発生量,また,腫瘍培養細胞の致死効果判定の結果に基づき,実際の治療にどれだけ有効であるかを検討し,動物実験及び臨床試験の指針とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度、本課題以外の最もエフォートの高い業務である診療の業務量が予想以上に著しく増加し、そのエフォートが非常に増大したため、本課題のエフォートを下げざるを得なくなりました. そのため、今年度に実施する予定であった研究計画のほとんどについて、予定通りに遂行することができず、その結果未使用額が生じました. 次年度使用が生じた理由が,研究計画の再検討によるものではないため,平成25年度の研究実施計画に基づいて,実施する予定である.
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