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本研究の目的は、国際標準化を目指したいびき解析による閉塞型無呼吸症候群（OSAS）自動診断システムの開発を行うことである。そのなかで、平成27年度は大きく分けて主に４つの研究を進めてきた。1、睡眠時の録音データからいびき、呼吸音を検出するために、ニューラルネットワークに基づく方法を使用していたが、学習には長い時間を要するので、テストパターンを有効活用する方法を提案していた。提案法の性能を評価するためには計算速度の検討が必要であったため、計算速度を測定して従来法との比較検討を行った。シミュレーション実験により、提案法は従来法の計算速度を十分に高速化できることが示された。２、生体モデルによる睡眠音分類法に改良を加え、（a）いびきと睡眠時に生じるいびき以外の音、（b）OSASと単純いびき症のいびきを分類できるか基礎検討を行った。シミュレーション実験を通して、今回選択した特徴量では、比較的高い精度で分類できることを示した。３、絶対音感を持つ人の聴覚系の信号処理を模擬した絶対音感モデルの提案を行なった。研究用音楽データベースに収録されている12個の音名を用いることにより提案モデルの有効性を確認することができた。４、日本のいびきデータベースとオーストラリアのいびきデータベースから抽出された音響特徴量をもとに、OSASスクリーニング精度の比較検討を行った。その結果、日本人のいびきのピッチ情報は、OSASに関するより多くの情報を含んでいることが示唆された。
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