研究課題
若手研究(B)
平成24年度は,ヒトに発生した肝細胞癌を対照に,コンピューター画像解析ソフトウェアを用いた病理組織学的検討を行った.肝細胞癌は通常,背景に肝線維症や肝硬変を伴っている.その線維化の進行程度を評価する目的として,近年,ShearWave elastography(SWE)という超音波機器を応用させた測定法が使用され始めている.このSWEは肝のstiffness(硬度)を測定することができるが,その得られた測定データと病理組織学的変化を詳細に比較検討した報告は調べえた限りではかつてない.今回我々が行った検討により,SWEによって得られた肝のstiffnessは,病理組織にて顕微鏡的に確認される膠原線維の総面積,弾性線維の総面積,肝細胞核の総面積,肝細胞核や炎症性細胞核を除く核総面積の割合が,それぞれ強い相関関係にあることが単変量解析にて証明された.さらに,SWEによって得られた肝のstiffnessは,特に膠原線維の範囲の割合と,肝細胞核の総面積の2つの因子が最も強い相関関係にあることが多変量解析にて証明された.膠原線維の範囲の割合(つまり線維化)が肝のstiffnessを決定する因子であることは予想されたが(認知されているが),肝細胞核の密度に関しても肝のstiffnessを決定づける因子として考慮しなければいけないということが,本研究により新たに証明することが出来た.尚,本研究結果はJournal of Ultrasound in Medicine 誌に掲載することが決定している.
2: おおむね順調に進展している
比較的効率よく研究成果が得られ,いくつかの論文作成ができた.
ヒト膀胱癌の組織標本を用いて腫瘍のバイオマーカーの評価システムを構築する.特にKi-67や種々のアポトーシスマーカーの検討(コンピューター画像解析ソフトウェアを用いた病理組織学的解析,臨床病理学的検討)を行っていく.
膀胱癌を用いてKi-67や種々のアポトーシスマーカーの検討を行う.
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)
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