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2014 年度 実施状況報告書

膜損傷を避ける為の着脱式臓器圧座デバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24700512
研究機関帝京平成大学

研究代表者

金 大永  帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (60461860)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード手術用ロボット / 膵臓 / ステープリング
研究実績の概要

研究の3年目に入り、力制御を行いながら膵臓を圧座するマニピュレータの第4次設計・製作を行い、評価を行った。前年度に製作したマニピュレータの力センシングは鉗子の先端部ではなく、鉗子を動かすロッドの駆動部で行われていた。新しいマニピュレータでは、次の3つに重点を置き、研究を進めた。①膵臓からの反力は鉗子の先端部に直接反映される。その反力を駆動部で計測しているが、その妥当性はあるのか確かめる必要があった。よって、圧座時の鉗子の先端と鉗子の根元にはひずみゲージを装着し、鉗子先端での計測を行った。従来の方法と精度や安定性を比較した。②ブタの摘出した膵臓はヒトの膵臓と違い、薄くて圧座による破裂が観察されなかった。そこで硬化された膵臓に類似した市販のソーセージを用いて、力フィードバックによる圧座の効果を確かめた。膵臓からの反力がある水準を超えると圧座速度を落としていく方法で圧座を行った。③圧座を行ったブタの膵臓を標本にしてバーチャルスライドにて画像化し、汎用数値解析ソフトウェアANSYSを利用してシミュレーションした結果と比較した。
結果として、①センシングに関しては、駆動部でのセンシングも十分な精度と安定性が確認でき、分離・洗浄性を考慮すると駆動部でのセンシングがより良いと判断した。②破裂の実験では、圧座の速度によらず制御なしでの圧座では全てのソーセージで膜の破裂が観察された。一方、力フィードバックによる制御で行った圧座では全て膜の破裂なしで圧座することが可能であり(n=10)、その有用性を確認した。③シミュレーションで出た応力の分布とバーチャルスライドの損傷部位がある程度一致し、シミュレーションでの可能性が確認出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の計画は、新しい鉗子の製作、ファントムでの破裂実験、摘出臓器での圧座実験を目的とした。より完成度の高いマニピュレータの製作が出来、評価実験ではその有用性が確認できた。制御の下で行った圧座では全てのソーセージにて膜の破裂なしで圧座が可能であり、そのメカニズムの一部をシミュレーションで確かめた。
摘出臓器での実験では、共同研究者の協力の基でバーチャルスライドを作成し、画像処理によりシミュレーション結果と比較出来たのはとても良い進展であった。
臨床データは画像処理を用いて解析中であり、圧座されたブタの膵臓と比較し、その差を明確にする予定である。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、共同で行っていたブタ実験が日程上出来なく、研究期間を延長してブタ実験を行う予定である。今までの結果は論文にまとめてあるので、ブタ実験の結果と合わせ、学会や学術論文へ発表する予定である。
また、臨床データを画像処理にて分析し、ブタの膵臓のデータやシミュレーション結果とも比較し、その損傷具合をより明確にして、その結果を査読付きの論文にて発表する計画である。

次年度使用額が生じた理由

ブタ実験の延期、また、研究に関連した国際学会が夏に予定されており、結果が間に合わなく参加出来なかった為、次年度使用額522,905円が発生した。

次年度使用額の使用計画

完成版のマニピュレータの評価として行うブタ実験の施設利用費、圧座した膵臓のバーチャルスライドの作成費、学会発表の旅費として使用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 膵組織損傷抑制を目的とした膵液の可視化に関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      清水亮太,金大永,浅野武秀,近藤福雄,豊田真之,佐久間一郎,小林英津子,安藤岳洋
    • 学会等名
      第54回日本生体医工学会大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-05-07 – 2015-05-09
  • [学会発表] 膵組織損傷抑制を目的とした制御に関する研究~第1報:圧迫による膵液誘導漏出に関する報告~2014

    • 著者名/発表者名
      清水 亮太,金 大永,浅野 武秀,近藤 福雄,豊田 真之,佐久間 一郎,小林 英津子,et al.
    • 学会等名
      第23回日本コンピュータ外科学会大会
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター(大阪大学吹田キャンパス内)(大阪府吹田市)
    • 年月日
      2014-11-08 – 2014-11-09

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公開日: 2016-06-01  

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